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心の叫び~~モントレーの山奥から

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2011.04.10
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「白髪の世界」 

 「結婚年数55年以上の夫婦は手を上げてください」と司会者が言うと、すぐに会場が爆笑の渦になった。なぜか?
「それは一人目の夫人とですか、それとも二人目の夫人との結婚生活年数ですか」という声が大きく聞こえたからです。こんな質問がそう簡単に日本人の集会で出てくるでしょうか。アメリカ人は結婚は2回は「当たり前」といいます。3回は「少しナー」といいます。4回は「ちょっとナー」といいます。これは「キング・クイーン」という白人のグループのチキンディナーの集まりの会場です。ところが白人ばかりなのに金髪が少ないのです。ほとんどが白髪です。見渡す限り、白銀の世界です、いや白髪の世界です。そうです、65歳以上の白人の1年に1回のリユニオン(懇親会)なのです。

 嫁はんと私は友人のバブとアルビラに連れられてここに来た。このチキンディナーは65歳以上の人は無料で、65歳以下は一人5ドル払います。年に20ドルの会費を払って、一緒にサンフランシスコへバスをチャーターして珍しいレストランへ食事に行ったり、あるいはクルーズで外国へ旅行に行ったりするグループです。私と嫁はんはまだ65歳以下ですから5ドルずつ払って、席に着いた。

 およそ6人掛けの40席以上の丸いテーブルがほとんど満席。250人前後のアメリカ人達です。そのうちのたった二人が日本人の嫁はんと私です。そんな中で英語もまともに出来ない私と嫁はんが食事をするのは圧倒されると思うでしょう、引け目も感じると思うでしょう、度胸がいると思うでしょう。ほんまのところは少し小さくなります。でも白人の社会で7年以上も生活しているから慣れました。親身に私達の世話をしてくれるバブとアルビラがおるから心強よいです。それと、日本の作る製品が私たちの気持ちを大きくしてくれます。彼らはトヨタ、ホンダ、ソニー、パナソニックの製品を作る日本人に一目置くようになりました。日本人は白人の立派な体格や、容姿には負けると思いますが、作る製品には勝ちました。トヨタ、ホンダ、ソニー、パナソニック様、おおきに、ありがとうございます。

 ここはサンフランシスコからフリーウェイ101号線を南へ車で、2時間半ほどのキングシティーという小さな町です。周りは広い野菜畑と、ブドウ畑がどこまでも続いています。そこのフェヤーグランドの大きな建物のホールの中です。高い天井の真ん中から薄紫の長い布が四方八方に張り巡らされて、うきうき気分にしてくれます。町の中を歩けば、ほとんどがヒスパニック系の人ばかりの町なのに、ここは白人ばかりです。町のどこにこれだけの白人が住んでいるのかと不思議に思われます。これはロスやサンフランシスコで白人が日本人の集会を見て、「どこにこれだけの日本人が住んでいるのか」と思うのと同じかも知れまへん。

 ウェイトレス、はすべて小中学生のボーイスカウト達です。ほとんどの彼らが恥ずかしがらずに、ちゃんと注文を聞いたり、コーヒーを持ってきたりします。プロのウエイトレス顔負けです。私が小中学生の頃、日本で彼らみたいにやれたかというと「ノー」だと思います。アメリカ人の子供が人前で恥ずかしがらずに、大人顔負けに立派にやれるのにはいつも感心します。大の大人の私より立派に思えますじゃなくて、立派です。年寄り達に子供たちが食事のホステスしてあげる、なんともほほえましい風景です。でもワイン、ビールは大人達が入れてくれます。アルコールの法律で、未成年は飲むこともサービスすることもできないからです。私は自分でうなずいて納得しています。

 出てきたチキンディナーは紙の皿に、大きなチキンとマカロニサラダ、ビーンズ、この3品です。日本人の集まりのご馳走を思い出すと質素です。情けなくなります。チキンも薄い塩味だけです。でも、アメリカ人は「グッドゥ、グッドゥ」といいながら喜んで食べています。日本のご馳走よりも勝っているのは量だけのようです。でもよう考えてみたら、これは都会のアメリカ人の集まりじゃなくて、昔の百姓やオールドカーボーイの集まりのだからでしょうか。 私も嫁はんも彼らのまねをして、「グッド、グッド」といいながら食べた。

 チキンを食べながら、司会者の話を聞き、拍手をしたり笑ったり、忙しい。
「20人以上の孫のおる人、手を上げてください」あちこちで、手が挙がります。「10人以上のひ孫のおる人、手を上げてください。」―――――。
次は70歳以上、75歳以上、85歳以上、90歳以上の人は手を挙げてくださいと司会者は進めていく。99歳のおばあちゃんが手だけじゃなく、立って手を上げると、拍手喝采がひときわ大きな拍手が起こった。99歳より年下の人は手を揚げるだけだったのに、この99歳のおばあちゃんだけは立って手を上げた。皆さんに「大きな、ありがとう」のお礼を言いたかったのでしょう。それとも、私は99歳まで生きたんだと自慢をしたかったかもわかりまへん。私はどっちにしてもうれしくなりました。

 でも私が一番興味深かったのは73年結婚生活をしているおじいちゃんとおばあちゃんでした。おじいちゃんが93歳で、足が悪くて車椅子に乗っています。おばあちゃんが94歳で、しゃんとしておじいちゃんよりも若そうです。このおじいちゃんは私に影響を与えた人のようです。彼の家での仕事は車椅子に乗っての皿洗いです。私も今、皿洗いが仕事になっています。
なぜならば、彼らの家へ嫁はんが2週間に1回ハウスクリーンに行っているからです。嫁はんの大の友達なのである。どうも嫁はんが私に皿洗いの仕事を押し付けたのはこのおじいちゃんを見ているからだと思う。

 最後に司会者がマイクを持っていって、「おじいちゃん、73年間の長い結婚生活の秘訣は何ですか」と聞いたら、「マウス、シャット(口を閉める)」の一言でした。
    フリムン徳さん
   






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Last updated  2011.04.10 07:57:57
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うぬつっつ@ Re:「男の名前で生きていきます」(12/24) 久しぶりに徳さんが夢に出てきてブログ見…
フリムン徳さん@ Re:「男の名前で生きていきます」(12/24) 禿げ1723さん、おおきに、ありがとう…

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