四国お遍路~愛媛県編~2007海の日の巻
台風一過の2日目。といっても、雲は重く、風も少々強い感じである。宿を出発し、短い距離の間に、49番浄土寺、50番繁多寺、51番石手寺と集中。昨日の雨のつらさが体に染み付いているので、雲行きと雨の落ち具合で、どきどきしながら、進行。少々強く降ったりしたが、昨日の遅れを取り戻すため、合羽は辛抱し、先を急ぐ。 松山市内を超え、52番、53番を打ったら、いよいよ瀬戸内海の海岸線沿いを今治市向けて出発。 幸いにも、進めば進むほど天気がよくなってきた。しかも海岸線沿いで風を気にしていたが、ひどくなく、海岸線ライドを楽しむ。 しかしこの今治の海岸線沿いの食堂というものが、ことごとくつぶれていたか、閉店だった。 気持ちのよい海岸線沿いも、右ひざをかばいながら、こぎ続ける。今治について、54番、55番、56番、57番とほぼ平坦の寺をうちつづける。そして58番寺の仙遊寺は高台にある寺。右ひざをかばい続けていた左ひざがいよいよ悲鳴をあげ続ける。元気ならば、がんばれる坂も、自転車を押して進まなければならない。再び昨日と同様の時間との戦いが始まる。昨日に引き続き、ふがいなさで涙が流れる。歯を食いしばりながらなんとか寺の山門まで着くも、さらに石段が続く。 この時点で、すでに右ひざで石段を登る力がなく、左ひざでのぼり、右ひざをそろえるという2歩で1段あがるというスローペース。 58番の仙遊寺の納経を終わらせたころに、明日の石鎚山にある60番横峰寺へのアタックは不可能ではないかと弱気な自分、現実視している自分が顔を出した。 何とかなるぜよと進み続けていた楽天的な私にとって、初めての現実視。 その現実視は、本日の最終目的地の59番国分寺をうち、本日の宿の壬生川を目指す道中でほぼ確信に変わってきた。この60番の横峰寺をクリヤーするかしないかで、88箇所の工程に大きな影響を与える。 話は変わるが、59番の国分寺を終わった時点で、寺のそばで店をしておられる方から、タオルのお接待を受けた。今治はタオルの町なので、納得! しかもこのお兄さん、流れるようなリズム感のある語りで、アイスクリンまでご馳走してくれた。さらにこのお兄さん、軽快なリズム口調で、壬生川までの道も教えてくれた。お兄さん「このね~お寺の前の道ね~、道なりに進んで、踏み切り超えたら、道違うからUターンね~」私「はい」お兄さん「そしたらね~自然と国道に合流するからね~、まっすぐいったら壬生川到着だよ~」私「ありがとうございます。で、壬生川までの道中って登りありますか?」お兄さん「大丈夫だよ~まったくもって平坦ですよ~」 そのお兄さんの言葉を信じて、壬生川への10kmの工程を進む。 国道に出るも、一向にスピードがのらず、体への疲れの蓄積、ひざへの負担といろいろ考えていたが、この道平坦じゃなっくて、のぼりじゃーねーかー!と突っ込みを入れながらペダルをこぐこぐこぐ… この時点で、本日の平均時速20.02km、なんとか20kmを切らないために国道を必死こいてこぎまくる。 昨日に引き続き、絶叫、鬼顔と、対向車の方々にご迷惑をおかけしながら、本日の宿に到着した。 駅前なので、近くにいろいろ居酒屋関係があったが、歩くのが苦痛のため、ホテルにある和食料理で、食事をすます。 自転車後のビールは最高で、店で生中1杯、生小1杯、部屋戻って500ml2本、チューハイ2本をたいらげ、就寝。 あすのひざの回復に期待を込めて。距離:88.02km時間:4時間24分平均:20.0km