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東京の岩波ホール(公式ホームページ)で上映中(7月27日まで)の記録映画「終わりよければすべてよし」は面白い。「住民が選択した町の福祉」など数々の作品で日本の高齢者福祉・地域医療の問題を追及してきた羽田澄子監督が,終末期医療を主題に「人生の終わりをどう迎えるか」と正面から問いかけた力作です。
「終末期医療」というと,陰気な建物にベットが並んでいるシーンを想像するのは時代遅れというもので,この映画では在宅ホスピス-つまりずっと自宅で生活し,人工呼吸器などの世話にならず,家族とことばを交わしながら安らかに旅立ってゆく人びとが登場します。 それには本人の意思はもちろんだが,24時間体制で待機する医師や看護婦,介護士,ヘルパー,家族,ボランティアなど無数の人びとの地域共同がなければできないことであり,日常生活の中に人間のつながりがあってこそ実現するのだと,映画は語りかけている。 必ずやってくる「その日」のためにも,元気なときは地域共同の輪に加わろう,そう思って私自身もわずか時間だが,知的障害者施設のボランティアに参加してきました。 最近高校生に「こんなこと興味がない?」と思いつつ遠慮っぽく話をしてみたら,目を輝かせて聴いてくれ「映画を見たい」と言われたのには少し驚かされた。そして,「いのちの地域共同」は子育ても含め,世代を超えて考えるべき問題なのだと,改めて気付かされました。 【参考】羽田澄子監督の紹介 1926年,旧満州(中国東北部)大連生まれ。自由学園高等科卒業後,恩師である羽仁説子(関連ページ)氏の紹介で,1950年に岩波映画の設立とともに入社。羽仁進監督の助監督についた後,1957年「村の婦人学級」で監督デビュー以来,90本を超すドキュメンタリーを手がける。 フリーになった翌年の1982年に「早池峰の賦」で芸術選奨文部大臣賞受賞。現在は「自由工房」で映画を創る。作品に「痴呆老人の世界」(1986年), 「歌舞伎役者片岡仁左衛門」 (1993年)がある。 ↑ 宜しければ,クリックをお願いします お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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