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カテゴリ:潮流
大都市に,スーパーラットと呼ばれるネズミが住み着いています。ビルだらけのまちづくりに適応し,たくましさを増したクマネズミです。
飲食店がたちならぶまちに,食べものの不自由はありません。暖かいビルの中で年がら年中,子どもを産みます。いまではネズミ捕りの毒に耐える力も身に付け,夜の盛り場を走り回ります。 先日「スーパーマウス誕生」と伝えられました。マウスはハツカネズミ。分速20メートルの自動歩道のようなローラーの上を進行方向と逆に走らせると,6時間走り続けました。距離にして6キロほど。 共に走り始めたふつうのマウスは,200メートルであえなく脱落しました。 やはり繁殖力も格段に強いスーパーマウス,環境に適応したのではありません。アメリカのクリーブランドの大学の研究班が,遺伝子の組み換えでつくりだしました。そのニュースを見ながら,テレビドラマ「アルジャーノンに花束を」を思い出した人もいるでしょう。 原作はダニエル・キイスの小説です。 知的障害をもつ若者が,知能を高める手術を施され,「天才」とうたわれるまでに変わる。学者が,マウスで試した動物実験の成果を人間にあてはめたのでした。 しかし,物語は悲しい。知能だけが発達したので社会に適応できず孤立し,やがては知能も元に戻ってゆく…。 スーパーマウスの遺伝子操作を人間,例えば兵士に応用したい者は現れたりすると怖い。 いま思うと,「アルジャーノンに花束を」は,技術の乱用への警告でもあったのかもしれません。 ↑ 科学が人間にも地球にも活かされる社会になることを期待したいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007年12月19日 00時04分14秒
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