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かつて学校で教わった。日本最古の貨幣は「和同開珎」でした。しかし9年前,奈良県明日香村でもっと古い「富本銭」が見つかり,人々を驚かせました。
和同開珎の登場は708年。1,300年前です。埼玉県秩父市には和同開珎に用いたという銅の採掘場の遺跡が残っています。1,300年を記念し,日本銀行の貨幣博物館も,「貨幣誕生-和同開珎の時代とくらし」展を催しています。 朝廷は,和同開珎以来,約250年の間に12種類の銅貨を発行しました。軍事費や都の建設にたくさんのお金がいったらしい,といわれます。 ところが,銅貨の質は落ちていきました。だいたい,原材料の銅が足りません。形も次第に小さくなっていく。目方が和同開珎の半分もありません。色も変わります。そんな銅貨が多かったそうです。 最後には,ほとんど鉛のかたまりで「銅貨」といえないような悪貨もあらわれました。 富本銭と鋳棹(飛鳥池遺跡出土) 日本銀行金融研究所の解説によると,和同開珎のことは銭一文で約2キロの米が買えた,といいます。しかし,9世紀半ばには1/100以下の10ないし20グラムしか買えなかったというのですから,持っている値打ちがありません。 人は使おうとしなくなり,朝廷も頼りない存在となってついに銅貨づくりをやめました。 時代も事情も違うものの教訓めいています。アメリカ・ドルはいま,ヨーロッパのユーロなどに対し下がる一方です。「ドル支配の終わり」を予想する人もいます。 国の信頼の落ち込みが通貨の信用低下とともなう場合が多いものです。 ↑ 更新が遅れておりますが,宜しければ「応援クリック」をお願いします お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008年09月30日 16時33分36秒
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