奥襟部長の柔道・柔術日記

遅ればせながら世界柔道の雑感を。まずは男子。

６０ｋｇ級
高藤選手が準決勝で敗退した判定は、やっぱり不可解としか言えない。特に二回目の投げは有効は取らないと。あかん、あれはあかん。それでも一本取ってれば勝てたっていう意見もあるようだけど、世界柔道でそれを言うのは酷かと思う。色々な意味で残念。三位決定戦の圧勝ぶりをみると、やっぱり実力的には頭一つ抜けてる。これまで通り、ぜひとも頑張ってほしい。しかし、初戦、歯が折れたってどんな倒れ方したのかしら。

６６ｋｇ級
海老沼選手圧勝。心身共に充実という感じ。佇まいが他の選手とは違う。なんだか技術云々を飛び越えた何かを掴んだような気が。今度こそ本当に海老沼時代到来か。
高市選手はもうちょっと背負い投げが通用するかと思ったけどそうでもなく。ていうか、かなり研究されたんだろうな。さて、今後どうするか。この階級は怪物、阿部一二三選手もいるし、国内の2番手争いは高いレベルで熾烈を極めそう。

７３ｋｇ級
中矢選手がきたか。危ない場面もたくさんあったけど、結局寝技にいきそうで寝技に拘らずに優勝。あれは中矢選手のねらいだったのかしら。見た感じ絶好調という感じでは全然なかったんだけど、持ち前のしぶとい柔道で勝ち上がって優勝。大野選手とは差がついたと思ってたけど、今回を見るとそうでもないんだろうな。強い中矢選手が戻ってきた。
大野選手は練習不足かしら。以前に比べると組み手が随分と甘くなってしまったような。なんでだろう。自力はダントツで一番だと思ってたんだけどな。団体戦もイマイチだったし。精神的なものが何か影響してるのかしら。あのえげつない内股をまた見たい。

８１ｋｇ級
永瀬選手はよかったんだけどなぁ。相変わらずの体幹の強さ、そこからくるバランスの良さは抜群。でも、随分技出しが遅くなってしまったような。見ていて決して手の届かない相手だと思わなかったし、団体戦ではリベンジもはたしているわけだから今後に期待。なんといっても全日本選手権３位だし。あの思い切りのよい技が帰ってきたら、きっと上位に食い込める逸材だと思う。

９０ｋｇ級
ベイカー選手。ダメだったかぁ。あのスタイルに賛否両論はあるけれど、奥襟部長は通用する派なんだよな。大内刈があるのが大きいんだよ。団体戦で見せた払い巻きなどきっとまだレパートリーが増えるだろうから今後に大いに期待。担ぎ技をもっとやってくれないかなぁ。ちなみに優勝はイリアディス選手。すごいわ。

１００ｋｇ級
多分テレビでやってなかったよね。残念。

１００ｋｇ超級
七戸選手。なんといって七戸選手。素晴らしい試合だったなぁ。決勝戦の片手の大外と最後の組み際の大内刈り。あのリネール選手を大いにぐらつかせた。見えたよ。はっきりとリネール選手の背中が見えた。団体戦で見せた相四つへの組み際の支え釣込み足も素晴らしかったし、最終兵器は組み際の大内刈りだろうけど、来年以降、大いに期待できる。本当に久々に期待できる重量級選手で嬉しい限り。来年の全日本はとってほしいなぁ。頑張れ！！
上川選手についてはもうそろそろ首脳陣も我慢しなくていいんじゃないかしら、としか言えない。王子谷選手あたりの起用も考えて良いのでは。


全体的には良い兆しがふんだんに盛り込まれた素晴らしい結果だったと思う。個人的には、９０ｋｇ級と８１ｋｇ級は我慢してベイカー選手と永瀬選手を使い続けてほしいのと、大野選手の復活を期待したい。あとは七戸選手。ファンになっちゃったなぁ。次回はなんとしてもリネール選手に勝ってもらいたい。うん、絶対に勝てる。