同じ日など一日もないと言うのに(単発物)
――それは、とある小さな村の公衆浴場での記憶。「レイー、そろそろ帰‥‥って、まだ着替え終わってないの?!」「‥‥眠い。」「見れば判る情報なんて要らないよ。僕より先に出たのに上着羽織っただけとか、本気で有り得ないんだけど」「‥‥‥‥ごめん。」「お風呂から出たら、さっさと身体拭いて服着る!!いつまでもそんな格好してたら風邪ひくよ?」 ごしごしごしごし「ひかない‥‥。」「そうだよねー。レイは馬鹿だからねー。」 わしゃわしゃわしゃわしゃ「‥‥馬鹿、じゃない。」「こんな所で寝るのは馬鹿だけじゃない?」「‥‥‥‥‥‥。」 くしくしくしくし「ほら、僕が髪やってる間にボタン留めて‥‥」「‥‥‥Zz」「って、また寝てるし!!‥‥仕方ないなあ」 ぷちぷちぷちぷち「はい、出来た!帰るよー。‥‥寝たら置いて行くからね?」「‥‥‥‥嫌だ。」「はいはい。なら、しっかり歩こうねー」 溜息混じりに差し伸べられた、暖かい手。 例え暗闇の中でも、目を閉じてしまっても。 この手が俺を正しい場所に導いてくれる。そう信じて握り返した。 ‥‥後に、自分から振り払う事になる手を。 如何して、その温もりが消えてしまう可能性に気付けなかった? * * *「ボタン、留めたらいいのに」「‥‥面倒臭い。」 ――――だって、留めてくれる奴はもう居ない。-----------------------------------------------------------------------------------------シリーズですらない単発物。プラリプにしても良かったんだけど、短すぎるのでこっちに。纏まってはいるかな~とは思う。情景描写苦手って言う弱点丸出しだけど(笑)ナツルが「馬鹿」って言ったから、レイは馬鹿なんです。それくらい妄信してます。宗教って怖いね!発言のあちこちから滲み出てる鬼畜成分にも、全く気付いてなかったり。「ほら去り行く日が知らず知らず優しく」とAZUKI七さんの詞にあるんですが、綺麗な想い出って、そのままじゃ残らないんですよね。逆も然り。事実が基ではあるけど、自分の都合の良い様に、大なり小なり捻じ曲げちゃってるっていう。レイは特に、その傾向が強いと思います。次がスノウかな??残りの三人は、割と地に足が付いてる気がします(笑)