2022/09/08(木)12:29
秋山巌と小崎侃その1
秋山巌の小さな美術館 ギャラリーMami の町田珠実です。
秋山巌と小崎侃(敬称略)について、何回かに分けて記録しておきたいと思います。おそらく、私が書いておかないと、知る人もなくなってしまいそうですので。まずは、1982年(昭和57年)銀座アテネ画廊で開催された
【小崎侃木版画展】案内状の紹介から。
この案内状には、秋山巌が「小崎侃と版画を語る」と題して文章を書いています。
(一番下に住所が書かれていますがカット)第24回 小崎侃 木版画展
7/26(月)~7/31(土)/1982年
アテネ画廊 アネックス
小崎侃と版画を語る 板画家 秋山巌
彫刻は沈黙の芸術だ、土一色、その土を黙々と握る地味な仕事なのだ。
その地味な仕事を永いこと続けたのが小崎侃くんだ。
小崎君と出会って十幾年になるが、何時会ってもおだやかな風貌で無駄な口はきかない作家である。
彼の人柄とよく似て、その作品もお喋りではない。
初期の頃から現在まで一貫して同じテーマを探求しつづけている。
裸婦やオランダのカピタン、港風景など、どの作品にも小崎侃、独特の深い知的なロマンを覚えるしむしろ敬虔な宗教観さえ感じる。
ここ数年ますます彼の画境は深々魅妙の世界へと前進したように思える。
これは仏法ででいうところの観法というものが身についてきたと私は独り合点しているのだ。
裸婦、カピタン、どれにもポエジーとロマンが深い英智に支えられておだやかな彼独自の無常の世界を観せる。案内状は以上
1982年というと、秋山巌61歳、小崎侃40歳です。小崎侃氏の画集などでは、太平洋美術会版画部の事などすっぽりぬけていますので、記録として残しておきます。ご参考に。