テーマ:ゲーム開発者日記(457)
カテゴリ:業界の流れ
先日、某社の社長が興味深い内容の講演を行いました。
その中で、ゲーム産業の市場規模についてのお話がありました。 今回は、その話題について触れていきたいと考えています。 まず、当ブログを訪れている方も、 同様に感じていらっしゃる方が多いと思いますが、 日本の家庭用ゲーム機における市場規模は縮小しております。 これは、売り上げを比較する事によっても明らかであり、 それが、ゲーム産業全体に対しての危機感を煽る結果ともなっています。 然しながら、この先日に発表された講演内容、データによって、 ゲーム産業全体における市場規模縮小が全くの誤認識である事が分かります。 まずは、このゲーム産業全体に対する市場の問題を読み解く前に、 ゲーム産業の移り変わりについて述べる必要があります。 過去、ゲームと言えば、家庭用ゲーム機や携帯ゲーム機がその主でありました。 ところが、現在のゲームの在り方は多様化しております。 携帯電話におけるゲーム普及、PCゲームの成長、 オンライン、ネットゲームの成長、アーケードゲーム、 これらの出現にもよって、ゲームのカテゴリーは非常に増えております。 では、ゲーム産業全体における市場規模を計るにあたっては、 何処までを計ればよいのかという問題に際して、 現在の規模を計るのであれば、 これらのゲームに関しても同様に計上していくのが 産業の規模を計る上で正確なデータになるのは明白であります。 そこで、ゲーム産業を家庭用ゲームだけに括らない場合に、 ゲーム市場規模は、どのように推移しているのかを比較しますと、 驚くべき事にそれは、 その誕生以来、一度も縮小していないというデータが出来上がります。 非常に驚くべきデータですが、これが現在の市場における真実という事になります。 そして、更に興味深い点としては、 家庭用ゲーム機における市場規模のデータがあります。 これについては、日本における規模は縮小しておりますが、 これを欧州、北米と合わせて比較すれば、 毎年、15%程度ずつ拡大しているというデータになります。 これらのデータを受けて私が考える事は、 現在の日本ゲーム全体に悲観的な見方が出てきておりますが、 これについては、全く悲観する事は無いという事です。 今後の問題は、その多様化する市場に合わせて 開発者の在り方が転換出来るかという点になります。 然し、現在の開発者の状況を思い返せば、 10年前とは様変わりし、各々のビジネスに対応すべく、 各々に特化した開発者も出現し、 そのビジネスを支えるべく屋台骨を作り上げはじめております。 現在は、ゲームにおける過渡期、移行期である事については変わりませんが、 それは、斜陽の向かっているのではなく、 成長に向かっていくための過渡期であるように私には思えます。 今後、ゲームを遊ぶためのスタイルは様変わりしていく可能性もありますが、 ゲームそのものは、変わらずに残っていく物として、 継続してユーザーに楽しさを提供出来るものと思います。 最後に、私達、開発者も現在の状況を的確に見極め、 ゲームそのものの在り方と真摯に向かい合っていきたいと考えております。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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