2007/10/17(水)08:43
インドネタ~As You Like
先日のインド出張では、何度かタクシーに乗りました。ロンドンに走っているようなクラシックっぽい普通のタクシーにも、オートリクショーという三輪のタクシーにも乗る機会がありました。ニューデリーのこういうタクシーにはメーターがついていない(ついていても動かない)のが通常なので、値段交渉をして乗る必要があります。途上国には結構いろいろ行ったことがあるので、そのような値段交渉自体は別に不慣れなわけではないのですが、ここのタクシーに乗って驚いたのは、「How much?」と聞くと、運ちゃんが「As you like」と答えることが何度もあったことです。「いくら?」と聞いて「○○円」とか言われれば、値切るベースができるので交渉できますが、いきなり「お好きなように」と言われてしまうと、どう返していいのかわからなくなります。土地勘があって、そこまで行くのに大体いくらかかるか相場がわかればいいですが、初めて行ったところでは全くそんなものはわかりません。これで適当な金額を言ってしまうと、きっと運ちゃんの思うツボになるのかもしれませんね。なかなか賢いです、インド人。ホテルから空港に行くときに乗ったタクシーでは、乗車時にいくらかかるか聞くのを忘れ、空港に到着してからいくらか聞くと、やはりAs you likeと言われました。むむっ、市内で乗ったときは100ルピーくらいだったから、空港は500ルピー(約1500円ちょっと)くらいかと思って、500ルピー札を出しつつ「400」と言ってみたら「まあ500でいいでしょ」みたいな感じで結果的に500ルピーを払いました。ここの場合、低所得者の方々には施しをするのが宗教的、文化的に当然みたいなところも感じられたので、カネを持っている外国人はしこたま払えというのが常なのかもしれません。また、古きよき植民地時代の名残なのか、カーストの影響なのか、ホテルの周辺で客待ちしているタクシーの運ちゃんは我々を見て「Hello, sir!」と「サー」という敬称で呼ぶことも多く、礼儀正しいと感じさせる一方、持っているヤツは施せ、という意識が根底にあると感じてしまいます。こういうところは中国さまと比べると実にしっかりしているというか、運転手に基本的に無礼な輩は少なくとも私の乗った中ではいませんでしたので、中国でよく遭遇する無礼な運転手とは全く対照的に、マナー的にもインド人のほうがずっと上だと感じました。でも、理詰めで攻めるような交渉になったら、インド人はもしかしたら中国人よりも相当手ごわい相手なのかもしれません。さて、これがニューデリーを走るちゃんとしたタクシーですが、サイドミラー(バックミラー)がありません。取れてなくなってしまったわけではなく、最初からついていないようです。タクシー以外の車で、ドアミラーがついている車でも、なぜか折りたたんだままのものが大半でした。したがって、車線変更するときは何も見ないで行くわけです。後ろから追い抜く車はそのためか、隣の車線の車のぎりぎりを通過していくことがほとんどでした。よくわからなくなりましたが、日本でも昔はバックミラーってついていなかったんでしたっけかね。ちょっとしたインドの謎でした。。