015475 ランダム
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楽。世界、地球。           

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6.灼熱バケツリレー

 援助物資。

たまに聞く言葉だけど 関わりのない人には本当にない!
私はどちらかといえば関わりがある方だ。
ここ、エリトリアまで、日本からの「援助物資」を運んできた1人だから。


 ただの観光旅行とは違い、もっと現地に密接できる この旅では、着岸する国に複雑な問題があれば さけて通らない。
エリトリアは独立して間もないから、生活していくのも物理的に楽じゃない。
なので日本から色んな物を持ってきて、現地で積みおろす。

 NGOとかNPOとか、最近よく聞く こういった団体の活動にある。
関係ない人は こんな話題になると、「難しそう」と読みとばすが、いたって簡単。
日本で一般の人に呼びかけ、集めるだけ集めたら船に乗せ、現地に着いたら頑張って全部降ろしていくだけ。#説明だけなら ラーメンを作るより簡単だ。


 で、通常の援助物資運びと 違う点が2点・・。

1、物は生活用具の他に、大量のサッカーボールを運び込む ということ。
2、実際に積みおろす人は、船旅を楽しんでいる一般のパッセンジャーだということ。


 ということで、「援助物資の積み降ろし」に参加した!
しかし船を出たら灼熱。気合と気力が必要だ。さあ外に出るぞ!


  ・・暑い。すでにもう列ができ、机やら楽器やらが次々とリレーされている。そこの列の途中に入り、私もやり始めた。
‘バケツリレー’というものを初めて体験した!なかなかリズムのある作業。
同じ物が回ってくるわけじゃなく、軽かったり重かったり、小さかったり大きかったりする。だから「重いよー」と声を掛け合い繋いでいく・・。ただひたすら物を流していく・・まだまだいっぱい流していく・・
軍手をはめたた手で受け取り 渡し・・暑い・・

 列の始めあたりにいる人の みんなへの気合の声が、気力をなんとか維持されてくれている。言っていることはめちゃくちゃ:;@だった。とりあえず狂ったように叫びまくっていた!「@;。@@;:m。---!!!」このくらいしないと、こんな暑さの中、とてもじゃないけど労働は出来ない!しかも長時間。・・疲れた・・そういえば時間の感覚が分からない・・ひたすら荷物が流れてくる。もしこれが仕事で、工場内とかなら もうもたないだろう。
列のメンバーがやる気を出し合っているこの状況だから持ち答えていた。そういえばみんな、あまり表情が変わらない。かなり長い間動きっぱなしで それはそれは疲れも限界に近いはずなのに・・私は不思議で気になっていた。
というか、私がすでに くたばっていた!もう気力で動くしかない!くらいの気持ちでなんとかそこにいた・・

 
 列の一番初め、つまり船の倉庫(普段は空かない船底の部分)の中にいて 荷物を運び出す役目になっている人。そこにいる人はもっと暑い!!☆
私がいる所よりも空気がこもっているから。なのにまだまだ動力があるモードだった。凄い・・。だって私なんかよりも全然まえからその場所で動き続けているはず。
 列の一番後ろ、つまり最後尾まできた物を、トラックの上から受け取って 整頓しながら積んでいっている人。そこが一番力を使う。机だろうがもっと重い物だろうが、ありったけの力で上に引き上げるからだ。
それも何回も何回も何回も・・!凄すぎる!!見ているだけで「無理」・・。
トラックの下の補助もなかなか大変だ。ふぅ~なんて息つく暇も空いてない。

 そんな人たちを見ながらじゃないと、とてもじゃないけど もう続かない。
何度抜けようと思ったことか・・。
別に抜けても全くかまわないけど、テンポよく進んでいると 抜けにくい。それにみんな平気そう。


・・・とにかくもう、こんなことをちまちま考えてるしかないくらい、自分の疲労は限界だった。気が遠く彼方にいきそうなまま、とにかく動いていた・・



 言っておくが、これはパッセンジャーに与えられた指名じゃない。協力してくれる人はお願いします、と言われているだけだ。いや、というか、この国に着いたらこの作業をすることは 旅が始る前から分かっていることだった。
(当然 いま降ろしている物たちは 出発前に船に乗せている。だから日本でも同じ事をしている人がいるんだから。)
それにエリトリアへ援助物資を運ぶことは、航海の目的の一つに含まれているくらい大切な事だ。
 だから お願いしますなんて言わなくても、この暑いなかザッと人が集まる。
 頼まれてやるんじゃなく 自分自身が問題意識を持って自ら行動する この人たち、その団結力を 本当に素晴らしいと感じる。


 ・・・そうとう長い時間が経ち、私はもう抜け殻だった。


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