男のほのぼの日記

2019/10/18(金)12:38

恐怖劇場アンバランス 第10話「サラリーマンの勲章」

恐怖劇場アンバランス(13)

今日は手を抜くつもりが、部屋から一歩も出れないぐらいの電話対応。「決定!全日本歌謡選抜」の電話リクエスト状態で昼食なし! 恐怖劇場アンバランス 第10話「サラリーマンの勲章」 監督 満田禾斉 脚本 上原正三 原作は樹下太郎の「消失計画」。名バイプレーヤー・梅津栄が一世一代の演技を見せる、今のところ生涯唯一の主演作。梅津栄は課長への昇進を拒んでいた。なぜなら役職者は毎朝8時30分から早朝会議に出席しなければならず、梅津栄はその30分が惜しかった。30分あればゆっくりコーヒーを飲むことができる。そんな梅津栄も遂に課長に昇進。その初日テンパってしまった余り、降りる駅を乗り過ごしてしまう。遅れて会社に出勤。「あれ?課長、早朝会議はどうしたんですか?」と部下に聞かれしどろもどろ。結局、会社をサボって喫茶店へ。「腹が痛いので休みます」と喫茶店から電話する。その際、手帳を置き忘れてしまうが。。。さて、真面目一辺倒だった梅津栄は競馬場、ストリップ小屋、トルコ風呂へ梯子する。そんな中、以前飲みに行ったスナックのホステス・冨士真奈美を思い出し、彼女の勤める店へ。その頃、会社は会議の資料を持ったまま姿を消した梅津栄を探していた。梅津栄の妻・津島恵子を会社に呼び出し、心当たりはないかと尋ねる。夫がそんな大それたことをするとは信じられないが、唯一心当たりがあるとすれば・・・夫は昇進を本当に嫌がっていたこと、昇進が決まって以来夜中に何度も目が覚める、朝のコーヒーをゆっくり飲みたい。。。それを聞いて会社の役員一同は大爆笑する。「係長、課長、部長、サラリーマンにとって昇進とは、いわば勲章だ。その勲章をいかに早く多く着けるか、それがその人間の評価にもなる。勲章を嫌う、そんな人間がいるはずがなかろうじゃないか。ガハハ」。そんなこんなで梅津栄と冨士真奈美は意気投合し、夫婦のような生活を始める。そして梅津栄は偽装自殺を思いつく。自分を自殺したと見せかけ、蒸発中の冨士真奈美の夫に成りすますというもの。もちろん保険金の受け取りは妻・津島恵子なので残した家族に迷惑はかけない。というものだった。ところが「課長見つけましたよ。課長も隅に置けませんね~」と部下たちに居所を見つけられてしまう。喫茶店で置き忘れた手帳から探し出されたのだ。そしてまた元の生活に戻った。はずだったが・・・梅津栄は偽装自殺を決行して冨士真奈美のアパートに舞い戻った。「これから新しい人生を始めるんだ」。ところがそうは問屋がおろさない。冨士真奈美の夫は、実は蒸発したのではなく刑務所に収監されていたのである。そして運悪く、予定より早く釈放されて帰って来たのだった。暴力夫にボコボコにされる梅津栄。会社には梅津栄の後任として大阪支社より新しい課長の天人が決定。昇進のチャンスを失った梅津栄の部下たちがひそひそと囁く。「やっぱりサラリーマンには、いや人間には絶対勲章が必要なんだ。そりゃ出世するだけが勲章じゃない。現在の自分に満足している時は、それが本当の輝かしい勲章をつけた晴れの姿なのかもしれない」。その頃、サングラスを掛け、無精ひげを生やした梅津栄が喫茶店でニコニコした表情を浮かべてコーヒーを飲む姿があった。お・わ・り 血は一滴も出ませんが、かなり怖いです。本当に。この話が子ども番組の脚本だけを書き続けることになる上原正三唯一の大人向けテレビドラマというのも凄まじい。当時、円谷プロを退職した自分自身の姿と照らし合わせて書いたとか。妻の津島恵子は夫がどこが生きていると信じている。サラリーマンの勲章を捨て、納得のいく人生を歩んでいると。なんてすばらしい奥方。そんな理解ある妻を捨ててまで自由を求めた梅津栄の行動は、これを深夜の再放送で初めて観た中学三年生の時と変わらず理解できません。それにしても凄いお話でした。。。

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