テーマ:生涯教育(26)
カテゴリ:川柳
本日、(社)全日本川柳協会から、各会員に岩手大会報や「日川協通信」とともに全日本川柳誌上大会の案内が送られてきた。
一目見るなり、目が釘付けになった。 なんと題に「癌(がん)」とあるではないか。 川柳における題とは、前句附以来の歴史的遺物だが、これは、良い作品を生み出す契機として与えられるものであり、よい作品が生れるようなものが選ばれるべきであろう。もちろん、時代ということを意識した用語も重要であるが、「癌」はいただけない。今日、癌は死に直結する病からしだいに離れてはいるが、まだ<死>というイメージを棄てきれない。 我が家にも、癌と闘病している患者が一人いる。家族にとって、癌への畏れは口には出さないが、いや、出せない恐怖がある。誰が出題し誰が選定した題かしらないが、作句の契機として「癌」を弄ぶことは、私にはできない。癌で苦しむ患者、がん患者を抱える家族の心情にまったく配慮のない馬鹿げた出題である。 いっぽ譲って、癌という題で、どんなイメージが浮かぶであろうか。そこから生れてくる句が、時代を代表する作品となりうるのだろうか。出題者は、単にコトバの面白さだけでなく、生れてくる作品の斬新さとレベルが高くなるような施策が必要である。「癌」はそれに適するのだろうか。 日川協に一考を求めたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年08月23日 10時35分56秒
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