テーマ:楽天川柳(376)
カテゴリ:川柳
川柳はもともと発生の過程から、<万句合>興行という射幸的娯楽として発展してきたという点で、同じ短詩形でも短歌や俳句とは性格を異にして生れました。
川柳を「趣味」という側面からとらえれば広い意味の遊びですが、「文学」という側面からそれを否定する立場は、明治の新傾向時代に始まり、作家意識の問題として何かにつけて議論されてきました。 木村半文銭は、 在来の川柳では、自分を遊ばせることは出来るが、自分を表現することは出来ない と主張し、前句附以来の伝統川柳における傍観者的視点、久良伎の徊趣味などを糾弾しています。すべての客観的態度は江戸時代の糟粕(そうはく)である遊戯性を踏襲するものであるとして、現在なお句会に依存して安易を貪る既成川柳を否定する第一の理由に挙げられますが、これは、その後も永きにわたり保・革対立の論点の一つとなっています。 川柳は、長い間に多彩な<視点>を身につけてきました。それを「保‐革」とか「本格‐公募」などという対立軸で一方を否定する必要はないでしょう。 いずれも川柳の一面であり、この視野の広がりこそが川柳そのものであり、広い視野でニンゲンを描くことが大切でしょう。 川柳の裾野の広さを私は大切にしたいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年11月04日 13時45分03秒
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