アルルは古代ギリシアの植民地でしたが、紀元前1世紀、シーザーの加護でローマになって発展し、初期のキリスト教団の宗教一大中心地「ガリアの小ローマ」という黄金期を迎えました。
ローマ時代に発展した歴史から、町中には今でも古代ローマ遺跡が幾つかあります。
一番有名なのは円形闘技場で、保存状態がとても良く、世界遺産にもなっています。
闘技場は楕円形をしていて、大きさは136m×107m。高さは21mで二層ですが、昔は3層あったそうです。収容人数は2万人以上とか。
中世には要塞に改造されたり、その後は闘技場内に市場、周りの回廊や観客席の階段にも住居やお店が建てられて内部が町になった時期もあるそうです。
そう言われれば、回廊は各階に木を渡して階を区切って、アーチごとに壁を作れば簡単に住居ができそう。
土台は頑丈なので、一から建てるよりラクでいいかも・・・(^^;)。
(闘技場の回廊内はこんなふう。ほんと、古代ローマモノは大きいです。)
ローマ時代には動物と人間、奴隷同士など、お決まりの血なまぐさい見世物が行われた闘技場は、今では上の方まで仮設観客席が組み立てられ、気候の良い時期には闘牛が行われています。
今も使われている遺跡なので、見学コースみたいなものはなく、内部は勝手に見てまわれます。
回廊を一回りしたり、仮設観客席の一番まで行ったり、塔の上の方まで登ってアルルの町や闘技場全体を見渡すこともできます。
ということで、アルル一番の見所はこの闘技場ですが、ほかにもコンスタンタン共同浴場跡、古代劇場、地下回廊、アリスカンなど歩いてまわれる街中のローマ遺跡が色々。
前日行ったニームにも、古代闘技場、メゾン・カレという名のコリント式神殿、マーニュの塔、古代集水場などありますので、この2つの町とポン・デュ・ガールをあわせて見れば、フランス国内だけでローマ遺跡を一通り見られます。
アルルには、某ガイドブックに「フランスを代表するロマネスク芸術の至宝」と記述されている、サン・トロフィーム教会という見所もありますが、僧院回廊の方はあまりにも保存状態が悪いです(-_-;)。
(ここまで酷くなるまで放置しなくても・・・(^^;))
彫刻や柱の欠けたところのあちこちに紙が張られていましたので、これから修復されるのかもしれません。美しくよみがえることを期待しています。
●インフォメーション
円形闘技場他古代遺跡は入場料が必要なところが多い。3~5ユーロ程度。遺跡によっては昼休み中閉まるところもあるが、全て市街の歩いてまわれる範囲にあるので、昼食をとるなり、土産物屋を見るなりして時間をつぶせる。
ファミリーチケット、遺跡めぐりチケット(パス・モニュマン)もあり。
闘牛は復活祭から9月まで。イベント開催時は闘技場見学はできない。