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Jan 3, 2011
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 53-a[23-r] (催眠術で前世を思い出すことにより教訓は得られるか)

 - 前世を思い出すのに催眠術を使用するのがブームになっております。あのような体験で教訓が学べるものでしょうか。

 学べることが皆無というわけではありません。が、そうした体験には、たんに現在の自分が立派でないことから、潜在意識が立派でありたかった願望を描こうとする、一種の虚栄心の表われであることがあります。
 別のケースとして、それにカルマがからんでいる場合があり、過去世において大きな影響を及ぼした苦難または悲劇を現世に呼び戻し、それを意識することでカルマが消滅することがあります。これは好い結果をもたらす例です。が、それがただの取りとめもない想像にすぎないことが多いのです。
 もう一つのケースとして、催眠状態における憑依霊のしわざである場合もあります。

    『シルバー・バーチの霊訓 (10)』(近藤千雄訳)
      潮文社、1988、pp. 128-129

     *****


 53-b [23-s] (催眠術での遡及によって過去世の証拠が得られるものか)

 - 催眠術による遡及によって過去世の証拠が得られるものでしょうか。実際にはただの霊の憑依ないしは支配にすぎないのでしょうか。

 いわゆる遡及によって前世とコンタクトできるという事実は否定しません。しかし、必ずしもそうでないところに問題があるのです。それというのも、人間の精神には莫大な可能性が秘められており、地上の人間には到底その深奥まで掘り下げることはできないからです。創造力もありますし、潜在的願望もありますし、霊によって憑依される可能性もあります。
 こうした要素をすべて考慮に入れなくてはなりません。催眠中に体外遊離(幽体脱離)が起きて、その間の一連の記憶が印象づけられることもあります。こうした場合は過去世を思い出していることにはなりません。

    『シルバー・バーチの霊訓 (10)』(近藤千雄訳)
      潮文社、1988、p. 130

     *****


53-c[23-t] (催眠術による前世への遡及は用心してかからねばならない)

 - 生まれ変る時は知り合いの霊の仲間ないしは高級霊団による指示と助力を受けるということを米国の心理学者が催眠術による遡及を通じて明らかにしているのですが、これについてどう思われますか。

 地上で奉仕的な仕事に献身したいという自覚をもった霊は自発的に再生します。が、霊的真理に目覚めるまでに相当な期間を要することがあり、そうした霊の場合は守護霊や指導霊が手助けします。私はそうした問題については、いわゆる催眠術による遡及は頼りにならないと考えます。催眠術者は、せいぜい、前世とおぼしきものを引き出そうとしているに過ぎません。

 - その米国の心理学者は被術者に再生する時に痛みとか恐怖心とかが無かったかを聞いております。

 施術者の動機がいかに真面目であっても、催眠術による前世への遡及はよくよく用心して掛からないといけません。催眠術の基本は"暗示性"にあります。したがって施術者が述べていることは控え目に受け取らないといけません。被術者は必ずしも施術者の暗示どおりに反応しているとはかぎらないからです。

 訳者注- ここでは催眠術がテーマとなっているが、基本的には霊能者や審神者についても言えることで、見当違いのことを大まじめでやっていることがあるので用心が肝要である。その弊害に陥らないための最大の武器は、やはり、しっかりとした心霊学の知識である。
 心霊学は霊的なことについての学問であるから、霊的なことに関わる人のすべてが心得ておくべきものであるはずなのに、神道や仏教の当事者はもとよりのこと、霊能者、霊媒およびその審神者が基礎的な知識すら持ち合わせないことに呆れることがあるし、何と危険なことだろうと、恐ろしささえ覚えることがある。
 そうした事実を考慮して私は『霊訓』の続編である『インペレーターの霊訓』の冒頭で霊的通信の入手経路について概略を述べておいた。またインペレーターの霊言および自動書記通信の中には霊媒および霊能者に対する忠言、とくに邪霊・悪霊・イタズラ霊の存在について言及しているものが多く見られるので、ぜひ参考にしていただきたい。
 見た目に清潔そうに見えてもバイ菌がうようよしているように、平凡な日常生活の背後にバイ菌のような霊がうようよしている。問題はそうした霊に操られた霊能者や霊媒が多すぎることである。それは最近の書店の心霊コーナーを見れば一目瞭然であろう。
 嘆かわしいことこの上ないが、これも凡人には測り知れない神の計画の一端なのかも知れないと思って諦めつつも、せめてそれが真実でないことを指摘することだけはすべきだという考えから、敢えて付言させていただいた。事のついでであるが、私が親しくしている米国人のスピリチュアリストに最近の米国の心霊事情を尋ねたところ、英国にくらべて精神的なものより現象的なものが多く、しかもいかにも米国らしくスケールの大きい催しがあるが、いかがわしいものが多いので自分は久しくそういう催しに出席していないと言い、個人的には英国のスピリチュアリズムの方が性分に合っている、とのことだった。
 その英国のサイキックニューズ紙の最新号(二二・八・一九八七)で主筆のオーッセンが、編集手帳のようなコラムの中で面白い話を持ち出して、それに厳しい批判を加えている。
 あらましだけ拾って紹介すると、ある日オーッセンに電話でいい霊媒を紹介してほしいという依頼があった。わけを聞くと、エルビス・プレスリーの十周忌の記念行事としてプレスリーの霊を呼び出すための"国際的交霊会"を催したいという。アメリカとオーストラリアの方はすでに話がついているが、イギリスからも参加してもらいたいという。オーッセンはむろんそれを断ったと述べてから次のように警告している。

 「正直言って私はジャーナリストやテレビ局からのこの種の依頼にうんざりしている。名前を呼べば簡単に出てきてしゃべってくれると思っているらしいが、霊との交信はそういう調子にはいかないのである。
 いかなる霊媒も、こちらから霊を呼び出すことはできない。あくまで霊の方から親近性と愛を掛け橋として戻ってくるのである。
 依頼されればどんな霊でも呼び出してあげられると豪語する霊媒は今すぐ霊能養成会へ行って一からやり直すしかない」

    『シルバー・バーチの霊訓 (10)』(近藤千雄訳)
      潮文社、1988、pp. 130-134






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Last updated  Jan 3, 2011 06:34:09 AM
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