2010/09/25(土)22:25
インターホーンが鳴らない
散歩から帰って来たショータンが、宅急便の不在カードをテーブルの上へ置いて言った。
「留守やったんか? 2階におったんか?」
「ずっと此処におったけど、インターホン聞こえへんかった」
立って、インターホンの受話器を耳に当てた。ブーという変な音がしていた。
「故障してるわ」
来訪者の声が聞き取り難くなって、新しいホーンに取り換えたのは2月だった。
ショータンは、受話器の取り付け台のカバーを外して配線を見た。異常はなかった。
外の送話器もカバーを取り、調べた。
ショータンは線を線を切って繋ぎ直し、丁寧にビニールテープを巻いた。
「ピンポーン」というかと私は中で待っていた。しばらくして玄関から「なんにも音せえへんよ」とショータンに言った。
「音せへんかったらせへんと言えやッ」
受話器は同じ状態だった。「ブー」。
「ピンポーンと違ごて、ブーやて」
「どこがブーやねん!?」
「電気系統の故障やと思うわ」
それでもショータンは、インターホンの故障だと思っていた。せっかく付けたホーンをまた取り外して、保証書と一緒に買った店へ持って行くという。私は郵便局に用事があったので、「ついでに寄って」と車に乗って行った。
店のサービスカウンターでショータンが待たされている間、3点買い物をした。『電子レンジで焼き魚』という不思議なお皿を買った。2480円もした。
ショータンがカウンターのそばにいなかったので、車の所へ行った。やっぱりいなかった。真夏の服ではなく、サマーヤーンのセーターを着ていたのに寒い。暫くすると、ショータンが店から出て来た。
「新しいのと、交換します、言うてたのに、店の従業員がテストしたら、ピンポーンと鳴った。付け方が悪いのと違いますか。て。そんな筈ないねんけどなあ」
------ 続く ---------