genki’s room

2010/09/25(土)22:25

インターホーンが鳴らない

できごと(96)

散歩から帰って来たショータンが、宅急便の不在カードをテーブルの上へ置いて言った。 「留守やったんか? 2階におったんか?」 「ずっと此処におったけど、インターホン聞こえへんかった」  立って、インターホンの受話器を耳に当てた。ブーという変な音がしていた。 「故障してるわ」  来訪者の声が聞き取り難くなって、新しいホーンに取り換えたのは2月だった。  ショータンは、受話器の取り付け台のカバーを外して配線を見た。異常はなかった。  外の送話器もカバーを取り、調べた。  ショータンは線を線を切って繋ぎ直し、丁寧にビニールテープを巻いた。 「ピンポーン」というかと私は中で待っていた。しばらくして玄関から「なんにも音せえへんよ」とショータンに言った。 「音せへんかったらせへんと言えやッ」   受話器は同じ状態だった。「ブー」。 「ピンポーンと違ごて、ブーやて」 「どこがブーやねん!?」 「電気系統の故障やと思うわ」  それでもショータンは、インターホンの故障だと思っていた。せっかく付けたホーンをまた取り外して、保証書と一緒に買った店へ持って行くという。私は郵便局に用事があったので、「ついでに寄って」と車に乗って行った。  店のサービスカウンターでショータンが待たされている間、3点買い物をした。『電子レンジで焼き魚』という不思議なお皿を買った。2480円もした。  ショータンがカウンターのそばにいなかったので、車の所へ行った。やっぱりいなかった。真夏の服ではなく、サマーヤーンのセーターを着ていたのに寒い。暫くすると、ショータンが店から出て来た。 「新しいのと、交換します、言うてたのに、店の従業員がテストしたら、ピンポーンと鳴った。付け方が悪いのと違いますか。て。そんな筈ないねんけどなあ」 ------ 続く ---------

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