「夜曲」 ~中島みゆき
そうなんです。私はバンドで音楽やってただけじゃなくて、実は芝居もやっていたのでした(笑)中学、高校時代は演劇部で役者の端くれだった私でしたが、大学では劇団ではなく、映画サークルの門を叩きました。映画サークルって中学にも高校にもなかったし、役者人生にはすでに挫折していて、裏方を覚えたかった。音楽サークル(←明らかにこちらがメイン)との掛け持ちだったからあまり真面目な活動はできなかったんだけど、3年生の時、2年年上の先輩から突然「今度撮る映画に出演してほしい」という とんでもないオファーがかかったのでした。その映画の主題歌であり、タイトルともなったのがこの曲です。 街に流れる歌を聴いたら 気付いて 私の声に気付いて (詞・曲 中島みゆき)主人公は自主映画づくりにかける大学生。おそらく先輩自身がモデルだったのでしょう。片思いの女性に自らの思いをつづった自主映画を贈るまでのせつないラブストーリーでした。私の役どころは、主役の大学生の映画サークルの友達。彼が彼女のために撮影する映画の中で(当然ラブストーリーなのだ)主役の女性を演じる一方、撮影が終わればアルバイト先のライブハウスで時々ステージに立って歌をうたったりする……という、これまた私自身がモデルなのかと思うような役柄でした。その中にこんな一場面がありました。私が演じる女性は、劇中映画で恋人役を演じる映画サークルの友達の男性に本当に恋をしているのだけど、映画の中とは違って、実際には彼女の一方的な片思い。ある日彼女は意を決して、何かに傷ついて ライブハウスで酔いつぶれる彼を前に、自作の曲の弾き語りで愛を伝えます。それを見ていた主役の彼(監督)はそんな彼女の姿に励まされ自分自身の恋を告白することへの勇気がわいてくる……。「この場面で君自身が歌う曲も作ってくれないかな」「えっ?」監督は 音楽サークルでステージに立つ私を見に来て、「私が映画の中で自作の歌をうたう」というシーンを挿入することを考えていたようです。私は映画に出演するだけでなく、映画の中で自分が歌う曲まで書くことになってしまいました。「夜曲」の中にもこんなフレーズがありましたっけ。 あなたにあてて 私はいつも 歌っているのよ いつまでも 悲しい歌も 愛しい歌も みんなあなたのことを歌っているのよしかしこの作業、私にはかなりのプレッシャーでした。なにしろ「主題歌は中島みゆき」なのです。そんな映画の劇中歌で私がど下手なオリジナルを歌っていいのか?でも、考えてみればオリジナルの曲作りなんていつも自分の経験だったり思いをつづることがほとんどで「ほかの人に与えられたシチュエーションを元に歌を書き下ろす」というのは 普段なかなかあり得ない設定。今思い返せば 作詞・作曲をするという点では あれは結構いい経験になりました。うーん 自分の文才のなさというか複雑で読みにくい日記になってしまってすみません(-"-;)完全に自分だけの世界に浸ってしまったなあ……ちなみに先日の「君たちキウイ・パパイヤ・マンゴーだね」の回で妙な替え歌を歌っていた先輩は映画の中で私が片思いをする相手役を演じたのだけど……私ってそういう趣味だと思われてたのかしらん(-"-;)