凡又凡

2017/02/18(土)12:32

読書について(2)-何を読むべきか

 昔の大学は自分の可能性を広げるところで、学生は読書したり、旅行したり、社会運動をしたりと、何でも好きなことを積極的にしました。反社会的行為をして逮捕される人もいましたが、時代はもっと大らかでした。今では教育の場にも経済原理が浸透し、教育環境がすっかり窮屈になって、高校のときから文系理系を決め、大学に入ると就職に役立ちそうな専攻を決め、大学生活をすごすのにさえ手堅さと要領が要求されるようです。それでは人生に一度しかない、視野を広げる絶好のチャンスをみすみすつぶすことで、とても残念に思います。  昔もそうでしたが、今でも学生が視野を広げられる最も簡便にして安価な方法は、やはり読書でしょう。ネットの普及で、最近の学生は読む文字の量は増えているかもしれませんが、本の量は確実に減っているはずです。若ければ体力も知的吸収力もあり、また、本というのは読めば読むほど読む速さが速くなりますから、いくらアルバイトや友人関係に忙しくても、月に最低十五冊から二十冊程度は読んでほしいものです。  もちろん、量だけ多ければいいというものでもありません。数ある本の中から何をまず読まねばならないかといわれたら、日本の古典や世界の古典を読むべきである、と私なら答えます。はっきりいって新書を十冊読むぐらいなら、『聖書』や『論語』、『古事記』や『源氏物語』を読んだ方が百倍ためになります。新書は今の時代を理解するのに役立つかもしれませんが、古典は時代を超越した普遍性があるので、一生通じての財産になるからです。古典を一通り読んだら、次に、自分が全く知らない分野を積極的に読むべきでしょう。文系なら理系の本を、理系なら文系の本をじっくり読んで、自分の苦手な思考法や知識にしたしめば、視野は格段に広がるでしょう。 (このブログは2月25日の更新を最後に一時中断します。ご了承ください)

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