『犯さん哉』 2007年11月4日 シアタードラマシティ 12列上手
脚本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:古田新太・中越典子・犬山イヌコ・姜暢雄・大倉孝二
八十田勇一・入江雅人・山西惇
ストーリー:14歳のアラタ少年が見る夢はいつも地球最後の日。
そんな彼といっしょにいるのはやさしいお姉さん。
貧乏の極限ともいえるアラタ少年の境遇に同情してお金を渡す。
そこへ帰宅した母。下着姿の二人に動ぜず。慌てて帰るお姉さん。
コンビニでバイトするアラタ少年の同級生のノリコは大学生の星君が好き。
コウジ・ユウイチはマサトにアラタを恐喝して金を奪えと命令するが、
貧乏なアラタに金があるはずはなく困り果てる・・・
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(ってゆーか、ストーリーあるけどないの。
とても「理屈」では書けないので以下略!)
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はっきりいわせていただきます。
大笑いさせてもらいました♪
『理屈じゃないのぉっ!』
大倉さんのセリフにもありましたが、まさにそんなお話。
中学生のころと、大人になってからの2部構成。
いや、3部・4部・5部もあったけどそれはまぁ・・・ねぇ?←みたひとしか意味わかんないし
ってことで、断片的に順不同でインパクトのあった部分の感想をちょこっと。たぶん。
最初は全員学生服で登場。
はっきりいって、違和感ものすごいものがありましたがね(爆)。
でも私の曇りきった目は古田さんかわいーーー♪
そして澄んだ目(おい)でみた姜くんもかわいーーー♪
・・・いいんだろうか、こんなんで。
しかもイキナリ、シュールな世界の終末映像てんこ盛りだし。
だけどこんなのキライじゃなかったりするのよね私。
場面は一転。
どこかの家の寝室。
古田さん得意のパンツ一丁姿!
でもブリーフぢゃない・・・もちろんTバックでもないし褌でもない(当たり前)。
股上が深い白パンツ。ちっこい子供がはくようなグン○のようなパンツ。
そして傍らにはセクシーなパンティとブラの女性。
そうです。古田さんの舞台といえばお約束のベットシーン。
や、正確にはお布団だったけど。
がしかしっ!相手はなんと姜くんの女装だったのよー。
ほとんど予備知識もないままの観劇だったので、そこらへんはうれしい驚き(笑)。
やーーーなんだろね?ちゃんと恥らう女性にみえたもん♪
ドラマで高校生を演じたことでもう、ふっきっちゃった感あり、かな。うふふ。
不思議な夢の話、そしてド貧乏な境遇を淡々と、ちっともかわいそうな雰囲気ゼロで語るアラタ少年。
思わず援助する女性。
そこへ更に淡々と母登場。
もうね、犬山さん最強!
貧乏を表現するのにこのふたり、ちっとも大変そうでなく、むしろ平然と受け入れ、
かなりしたたかに生きてる親子なんだな。
息子が同級生にいじめらても脅されても平然。
むしろそれを逆手に取る。
このあたりのいいくるめるうまさ、スゴイです。
犬山さん初見でしたが、大声出すでもなく妙に動き回ったりするでもないのに存在感抜群。
登場時のインパクトといえば大倉くん。
なんなの?イキナリお尻半分見えてるんですけど(爆)。
ズボンがかろうじてお尻に引っかかってるだけって・・・でもプリッとしててかわいかったわ♪
中越さんも、一見まともそうで、そんな大倉君演ずる大学生の星君、
しかもどうみてもダメダメ君に惚れてるって・・・いい趣味だわ。うははー。
学校の教室。
意味不明に背が高い机と椅子が一組。もちろん座ってるのはキレると怖いマサト。
実はちょっと座ってみたくなったってのは内緒(笑)。
かなり制服姿に無理のある同級生たちのなかで、アラタはやっぱりパンツ一丁。
貧乏だから制服買えないのね。
でもちっともかわいそうに見えないのはアラタが不幸っていう自覚?がないようにみえたからかなぁ。
なにせ小説化志望でチラシの裏に書いた自作を出版社に持ち込むくらい充実してるから(たぶんね)。
けど、難点が。
誰も彼の書いた文字が読めない。唯一の理解者は交換日記の相手のノリコだけ。
結局彼の小説は売れずゴミ箱行き。
お金が工面できず、マサトがキレてアラタ殺人事件に発展。
この殺人事件の犯人にされてしまった、通りかかっただけの星君がいと哀れ。まさに不条理。
ときは流れる。
不思議な文体で超売れっ子作家になったマサトは豪華な部屋に住んでいる。
女性編集者の犬山さんが一転して大人の女性をクールに。
作風の方向転換を図りたいマサトとひと悶着。
帰る彼女、現れるホテルボーイ。
実はこのホテルボーイがアラタ。
そう、彼は死んでなんかいない。しかも実はマサトのゴーストライターだったのだ!
そろそろ自分の立場にあきあきして、表舞台に立ちたくなったアラタ。
ふたりの不毛なやり取り(笑)が面白い。
場面は今度は病院。
意識不明のままの父を10年ぶりに見舞うアラタ。
出所した星君(なんと姜くんだ!)を迎える看護婦になったノリコ。
けど彼女が後に出産したのはアラタ父の主治医にそっくり!?
そんなこんなで(どんなこんなだよ!?)神様まで時々登場して、
しかも毎回声が違うし、菓子食ってるし(大笑)テキトーだし。
登場人物が、何度も入れ替わってくるし、ツッコミどころ満載なんだけれど、
そこらへんは神様自身(大倉君)が
『理屈ぢゃないからっっっっっ!』
ってのたもうていらしたのでもうOK(おい)。
なぜか書いたことが現実になってしまう力を授かってしまったアラタ。
けれど彼は世界の終末を書いてしまっていた。
この呪い?を解くためにありとあらゆるまじないを唱えるアラタ。
周りの人たちも必死になって彼に続く。
このおまじないがどうやら日替わりネタだったみたいで(笑)。
私が観たのが大楽だったせいか、いつもそうなのかはわかんないけど長かったよ。
サリーちゃんもどきの言葉はかわいいもんんだ。
もうアラタこと古田さんやりたい放題で楽しそうったら。
しまいにゃ客いじりまでして、どうするのかなと思ったら他のみなさんも全員客席に降りてきて。
ちょうど私の斜め前方あたりだったので、後姿や横顔を堪能堪能(爆)。
『・・・急に振られてもお客さんもリアクションに困るよね』(そりゃそうだ)
これもキチンと繰り返しておりました。
とどめのアラタ。
『今のを通しで』
通しって古田さん・・・。
客席大爆笑&大喝采のなか、みんなへとへとになりつつ変な言葉・変な動き・変な客いじりを再現。
お見事なチームワークざました♪
これで世界は救われてお終い。
かと思いきやそうではなく、更にぐだぐだは続く。
しかも予告編だよ。
予告編だからね・・・断片的な、意味不明な場面がちょこちょこ。
だからさ、『理屈ぢゃないからっっっっっ!』
ただね、最後の最後、生まれ変わったアラタ登場が・・・うがぁぁぁ。
全身ネバネバなの。パンツ一丁でツヤネバなの。
分かりやすく言えば・・・スマファンなら覚えてるかな?
「サナギ(ナギサ)」の慎吾!?
実を言えば個人的にこのツヤネバ状態の人間の姿がものすごく苦手でして(泣)。
笑いながらフリーズした瞬間でした。とほほー。
とはいえ。
言葉では表現しにくいんですが、とにかく出演者みなさん安心して観ていられる芸達者ばかり。
特に間のとりかたとか絶妙で、何度も大笑いしましたとも。
ぐだぐだ加減さえも笑いに転換できるパワーがすごかったわ。
転換といえば、こまめな場面転換が何度も何度も。
何役も兼ねてる役者さんばかりなので、その度に登場人物もかわり、
更にひとつの役が年を重ねると演ずる役者がかわったりでとにかく大忙し。
表の役者もだけれど、裏方さんたちもとにかく大車輪だったでしょうね。
みなさんお見事でした!
というのはあとから思ったこと。
観てたときはそんなの関係なくただもうひたすら、笑ってたから。
カーテンコールはさすが大楽。
何度もあって(数えてないけど5回以上だったような?)
コメントは特になかったけれど、ケラさんも登場でした♪
古田さんは幸いキレイにツヤネバを拭き取り去ってスッキリお風呂上りのようなさっぱりしたご様子。
よかったよかった本当によかった(笑)。
舞台からはける際は、上手端で毎回妙に神妙な表情でお辞儀したり感極まって泣きまねしたり(爆)。
客電ついてからも鳴り止まない拍手に、舞台上に
『とっととお帰りください』(こんなような言葉。ちょっと記憶あやふや)
との字幕。
よけい盛り上がるっつーの!
〆はようやく本来の古田さんに戻って投げキッス連発で、
最後はそのキッスをかっ飛ばすパフォーマンス
すかさず『カッキーーーン』の効果音を脳内補完してしまった私は
きっと新感線舞台に馴染みすぎてるな。
しかも。
同行の友人もまったく同じこと思ったらしい。さすが類友(爆)。
新感線のおポンチ舞台は、本当に、心底、何にも残らないけれど(←褒めてる)
これもそうかな?
んーーーちょっとニュアンス違うかな。
どちらもくっだらないことに全力でカラダ張ってるのはいっしょだけれど、
後味がちょっと違うような気がする。
新感線のおポンチはソーダ水。
甘くてスッキリしててどこか懐かしい。
ケラさんのは初めて飲んだコーラ。
ちょっぴりドキドキしてたら意外にイケテル?けど、なんか不思議に後をひく。
そしてゲップに慌てる(笑)。
たぶん、ケラさんは気づかない(死なない)程度に毒を入れてる?から?なわけないか。
こんな深読みは絶対いらん!迷惑なんだろうね。
くっだらない話(舞台)
が企画したケラさんと古田さんの本望だったんだから。
ま、本当にツッコミ所ありすぎだけれど、大笑いしたのは間違いないからいいか。
うん。
そして改めて言おう。
あのおなかのでっぱり具合さえもいとおしいよ古田さん(重症)。