『レベッカ』 中日劇場 2010年3月30日(火)12:30 1階8列20番台
【脚本・歌詞】ミヒャエル・クンツェ
【音 楽】シルヴェスター・リーヴァイ
【原 作】ダフネ・デュ・モーリア
【演 出】山田和也
【出 演】
山口祐一郎 :マキシム・ド・ウィンター
大塚ちひろ :「わたし」
石川禅 :フランク・クロウリー
吉野圭吾 :ジャック・ファヴェル
tekkan :ベン
阿部裕 :ジュリアン大佐
KENTARO :ジャイルズ
伊東弘美 :ベアトリス
寿ひずる :ヴァン・ホッパー夫人
シルビア・グラブ:ダンヴァース夫人(涼風真世とWキャスト) 他
【ストーリー】
「わたし」はアメリカ人のヴァン・ホッパー夫人に雇われ付き添いとしてモンテカルロのホテルにやってきた。内気な性格もあって不慣れな上流階級の生活になかなかなじめず、夫人にはいつもたしなめられてばかりいた。
ある日、イギリス紳士のマキシムがホテルにやってきて「わたし」は優雅で上品な物腰に心奪われる。
ホテルの客たちも、才色兼備だった先妻レベッカを事故で亡くした後だけにいろんな噂で持ちきりだった。
翌朝、風邪で寝込んだ夫人を部屋に残し「わたし」が一人朝食しようとすると、マキシムが「一緒に」と誘ってくれた。それから夫人が寝込んでいる数日間、ふたりは何度も食事したり散歩したりして共にすごし、いつしか惹かれあう。
けれど夫人はNYに帰ることになり、別れを哀しむ「わたし」にマキシムはプロポーズする。
喜び幸せをかみしめる「わたし」だが、夫人は完璧なレディだった先妻レベッカと比べ、女主人が務まるわけはないとクギを刺す。
ハネムーンを終えた二人が到着したのはマンダレイのお屋敷。
出迎えた家政婦頭のダンヴァース夫人と大勢の召使に圧倒される「わたし」。
マキシムの親友であり屋敷の管理人フランク、マキシムの姉ベアトリスとその夫ジャイルズ。
暖かく迎えてくれるものもいたが、多くの場合、常にレベッカと比較され、今もまだその場にレベッカが存在するかのように感じられる生活に「わたし」はとまどいとおそれを感じずにはいられず、その生活に馴染めないでいた。
しかもマキシムに内緒でレベッカの従兄弟ファベルも屋敷に出入りし、怪しげな振る舞いには困惑するばかりだ。
「わたし」がマンダレイで始めて主催する仮装パーティ。
マキシムを驚かそうとしたその扮装はしかし、喜ぶどころか怒らせ、その場の招待客たちをも凍りつかせるものでしかなかった。なぜならそれは、レベッカが生前最後のパーティで着たドレスをまとった肖像がそっくりだったからだ。
衣装を相談したとき何も教えてくれなかったダンヴァース夫人のあざけるような冷ややかな敵意、そしてマキシムの反応に打ちのめされる「わたし」。
ある嵐の日、座礁した船の救助にあたるマンダレイ屋敷の人々に、驚くべき出来事が知らされ、マキシムは窮地に陥る。
そしてマキシムの苦悩の告白・・・「わたし」は愛する人を守る決意をするのだった・・・。
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東京公演も終盤ですが、ようやく名古屋公演の感想です(^^;;)。
3月はなにかと観劇スケジュールも含めて多忙な月だったので、最初はWキャスト両方観る予定でしたが1回だけとなりました。
しかも、たぶん観ちゃうともっと観たくなるじぶんの性格がわかっているのであえて観劇予定を終盤にするという(笑)。
結果的に、めちゃ好みの舞台だったので正解だったんですが、あーーーでもやっぱりもう一回なんとかしたかったなぁと。
はい、だってWキャストのふたりともものすごく評判いいし、めっちゃ違って面白いらしいんですもの(><)。
・・・ないものねだりしちゃダメですが・・・でもこのあとは大阪かぁ~・・・以下略(爆)。
さて本編。
あ。基本的に私の感想は思いっきりネタバレです。
大阪で観劇予定とか未見の方はご注意を。
できるだけコンパクトに感想をまとめたいのですが、さてどうなるやら(^^;;)。
しかもこの後何本も観劇したので、順序とかごっちゃになってるところもあるかと。
そこらはご容赦を~&ツッコミ『可』(爆)ですので、いろいろ教えてくださいませ♪
実はこの日も駆け込みましたよ劇場に(汗)。
オンタイムでしたが、ちょうど舞台が暗転したところだったので最初のプロローグだけ1階最後列通路にて拝見。
ちひろちゃん真正面。
・・・カワイイ♪去年のお盆ぶり(V)に観たけれど、あら?声がこんなに伸びやかだったっけー?と。
その後の歌も演技も含め、伸び盛りってこーゆうことね。
とってもステキな女優さんになってておばちゃん観てて楽しいことといったら←すっかり保護者気分(笑)。
そして、最初っから音楽がとにかくいいの。
もうね~ウィーンミュージカル全般、私の好みにものすごく合うのよね。
たぶん、湿気のあるというか、どこか重さを感じさせるあたりとかが日本人の風土気質にあっているのかもねー。
ま、でもそんな分析はどうでもいいわ(おい)。
つかみはOKよ!
そして場面は過去へ・・・モンテカルロのホテルと場面を移す。
とにかく、ネタバレOKでクリエで上演されたときも感想はいっぱい読んだはずなんですが、観るときはそんなの都合よくすっかり忘れてね(笑)。
もうねーホッパー夫人がとにかくいいわ♪
あのなんともいえない間とか、男性への迫り方とか、説教の仕方とか、なにかと面白くて目が離せません。
ちひろちゃんも内向的で、場慣れしない感がすごく出ていて、いかにも田舎出の小娘でちょっと垢抜けない雰囲気も逆にかわいいの。
そこへ颯爽と登場するマキシム!
真横に座る山口さんファンの友人が途端にテンション上がってるのがよくわかって(だって乙女の祈りの手つきだもん・爆)、夫人との軽妙なやりとりも楽しさ倍増(笑)。
しっかし山口さん・・・紳士の装いと振る舞いが似合いますねぇ(*^^*)。
しかも時々フッと見せるおちゃめな笑顔がとにかくキュート♪
海辺のお散歩で、絵を覗き込もうとするときとか何気ない行動も、ちひろちゃんの幸せそうな笑顔とあいまって本当にHAPPYな空間が出来ちゃうの。
っていうか、もうふたりだけの世界ね。空気はピンク(笑)。
やさしいKISSも観てるこちらの乙女心を刺激するする(*^^*)。
けれどHOTELに戻れば「わたし」は夫人の付き添いの身分。
NYに戻ると言われ、突然の別れにつかのまの幸福はあえなく崩れ去る・・・はずが、王子様ならぬ騎士のごとく颯爽と現れたのは我らが(?)マキシム。
ここのねー。
ふふっ。
嘆き哀しむ「わたし」をやさしいことこの上ない眼差しでちゃっかり?みつめながら、そのあとプロポーズするとことがもうもう♪♪♪
『なんだと思った?』
うひゃぁぁぁぁぁ~~~~たまらんですっ(><)。
隣の友人は悶死しそうでした(爆)。
ホッパー夫人は、思いがけない展開と意外にしたたかだった「わたし」(そりゃ自分が寝込んでいる間にデキちゃったんだから)に驚愕しつつ、忠告もする。
才色兼備で評判だったマンダレイ屋敷の女主人レベッカの後釜になることの難しさを。
けれど、マキシムをひたすら崇拝し信じる幸せいっぱいの「わたし」の耳にはいらぬ心配・おせっかいにしか聞こえず。
そうなんだよねー。
マキシムからしたら、レベッカの存在そのものを良く知らず、ただひたすら尊敬と憧れと愛情だけを注いでくれる、しかもなんの駆け引きもない(というか、駆け引きすることさえ考えたことがないほどウブだった)「わたし」は、レベッカの死後、やっと得たやすらぎの時間であり存在だったんだね。
だから、ココモンテカルロではひたすらやさしく、愛してくれて紳士で頼れる完璧な人。
これ以上ない玉の輿。誰もが羨む新たな境遇。
けれど本国イギリス上流階級社会では、興味本位であることないことを噂する。
本音を隠し、笑顔の裏に悪意を隠しスキを見せればそれみたことかとあげつらうのだ。
新婚旅行からマンダレイ屋敷に戻ったマキシムは、早速新しい奥様として「わたし」をみなに紹介する。
亡くなった前妻レベッカが完璧な存在であったため、比べられるのは仕方ないし、ましてや上流社会出身者ではないため、どうにも召使たちへの態度に威厳が保てない。
というか、どうみても女中頭ダンヴァース夫人@シルビアさんのほうが何倍も貫禄あるんだ。
・・・つーかありすぎて怖いほど。こんなにも存在感があるなんて、聞いていた以上にスゴイわ(^^;)。
最初ね・・・バルコニー(?)みたいなところにまさにドォォォォォーン!!!って登場するんだけれど、コレがハンパなく「デターーー!!!」でして(震)。
真っ黒な質素なドレスに身を包み、髪も黒くひっつめ気味で、無表情なんだもん。
これでスモークなんてあったりして次の瞬間消えちゃったりとかしたら間違いなくホラーよホラー。
ってか、ホラーかコレ(^^;)。
マキシムの姉夫妻や、親友で屋敷の管理人でもあるフランクだけは心から歓迎してくれているのがわかるけれど、レベッカ亡き後の心が荒んだ状態のマキシムを知っているから、今度こそ幸せになって欲しいというわけだ。
そう。
「わたし」以外の誰もが過去にレベッカに影響されており、今もその影を感じさせずにはいられないのだった。
そ・し・てっフランクの禅さんですよぉ♪
あのいかにも人の良さそうな、マキシムが心から信頼できるのもわかるわぁ~な雰囲気出まくりの笑顔にこっちも癒されるの。
んふふーーーここは個人的にフランクの笑顔のほうが好きです私。
ゴメンねマキシム(&友よ)。
そんなんだから、丁重に迎えられてもどっちが奥様?ってなくらい圧倒されまくりの「わたし」の存在なんて、ダンバース夫人はなんとも思っていないのもまるわかり。
奥様としてやるべきことの指南も、「そんなこともおわかりにならないのですか?お知りにならないとは。上流階級のお付き合いはできますの?」
そーーーんな心の声がそりゃもう、しっかり聞こえてきますよ。
若さと素直さ、マキシムを心から愛することだけがとりえの「わたし」は、それなりに一生懸命なのだがどうにもうまく「奥様」になりきれない。
そんな様子が、ちひろちゃんの「わたし」の全身からにじみ出ていてねぇ・・・思いっきり感情移入ですよもう。
とにかくけなげなんだもん。
そんななか頼りのマキシムは屋敷に戻れば仕事もあり、前ほどかまってくれない。
やっと甘いムードになりかけても、どこからともなくダンヴァース夫人が現れて、いやどこからかわかっていても気が付いたらもうそこに無言・無表情に佇んでいたっていうカンジで水を差すからマキシムもなんとなく不機嫌になっちゃうし。
さらに、お屋敷が大きすぎて(あの「マンダレイ」といわれるほどの大邸宅だし)、そんななかで「わたし」はますますちっぽけな存在に見えるのよね。
そうそう。
このお屋敷のセット。
いかにも歴史あるどっしりした風情で貫禄タップリ。大階段もステキ!なんだけれど、初演ではこれクリエで演ったんでしょ!?
信じられないわー(@@)。
そしてどうして私はスッキリ感想を書ききれないのか(苦笑)。
まだ1幕終わらないのはナゼ?←マキシム風に苦悩(うそぴょーーん)(蹴)