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日本における性同一性障害への医療的アプローチの指針である、日本精神神経学会の「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン」によれば、性同一性障害の診断はおよそ次のようにおこなわれる。
1. 生活歴の聴取 2. 性別違和の実態を明らかする。 * 自らの性別に対する継続的な違和感・不快感 * 反対の性に対する強く持続的な一体感 * 反対の性役割を求める 3. 身体的性別の判定 * 染色体、ホルモン、内性器、外性器の診察・検査 4. 除外診断 * 統合失調症などの精神障害によって、本来の性自認を否認したり、性別適合手術を求めたりするものではないこと。 * 文化的社会的理由による性役割の忌避や、もっぱら職業的又は社会的利得のために反対の性別を求めるものではないこと。 5. 診断の確定 * 以上の点を総合して、身体的性別と性自認が一致しないことが明らかであれば、これを「性同一性障害」と診断する。 * 性分化疾患、性染色体異常などが認められるケースであっても、身体的性別と性自認が一致していない場合、これらを広く「性同一性障害」の一部として認める。 * 性同一性障害に十分な理解をもつ精神科医が診断にあたることが望ましい。2人の精神科医が一致して「性同一性障害」と診断することで診断は確定する。2人の精神科医の意見が一致しない場合は、さらに経験豊富な精神科医の診察結果を受けて改めて検討する。 治療 [編集] 性同一性障害の診断と治療の指針である日本精神神経学会「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン (第3版)」では、社会への適応のサポートを中心とする精神科領域の治療と、身体的特徴をジェンダー・アイデンティティと適合する性別へ近づけるための身体的治療(ホルモン療法、乳房切除、性別適合手術)で構成される。性同一性障害に対する診断と治療への理解と関心、充分な知識と経験を持った医師らによる医療チーム(診療科はおもに精神科、形成外科、泌尿器科、産婦人科など)が診断と治療をおこなう。 性同一性障害の診療の始めが精神科領域の治療であるのは、おもに精神的サポートや助言、当事者の「人生をどのように生きるか」などの希望を明らかにするため、除外診断をおこなう等のためにある。身体的治療は、精神科領域の治療の後も性の不一致による苦悩が続き、本人自らが身体的治療を希望する場合において、医療者による適応の判定を経て、本人の自己責任と自己決定のもとに選択する。身体的治療への移行は、精神科領域の治療と性同一性障害の診断を省くことはできない。 なお、性同一性障害に対し、「心のほうを身体の性に一致させる」という治療は、以下の経験的、現実的、倫理的な理由によりおこなわれない。 * 性同一性障害の典型例では、過去の治療において成功した例がなく[11]、ジェンダー・アイデンティティの変更は極めて困難だと判明している。性同一性障害は生物学的な要因が推測され、そのような治療は不可能と考えられている。 * 性同一性障害者自身はジェンダー・アイデンティティの変更を望まないことが多いので、治療の継続が困難である。 * ジェンダー・アイデンティティは人格の基礎の多くを占めており、人に対する人格の否定につながる。 また、性同一性障害の原因は身体とは反対の性への脳の性分化が推測されているが、例えば「脳を身体の性別に一致させる」などという脳に対する外科手術は現在の医療水準では不可能であり[12]、またたとえ仮に可能であったとしても倫理的に大きな問題がある。 精神科領域の治療 [編集] 精神科領域の治療としては、当事者のQOL(生活の質)の向上を目的として次のようなことを行う。 * 非寛容によりもたらされがちな自己評価の低さを改善させる。 * ジェンダー・アイデンティティやそれに基づく自己同一性を再確認させ、「自分は何者であるか」を明確にさせる。 * 社会生活上に生じうる様々な困難を想定し、その対処法を検討させる。 * 実生活経験(リアルライフ・エクスペリエンス、real life experience, RLE)を通じて、それに伴う困難も体験させた上で対処法を検討する。 * 抑うつなどの精神症状を伴っている場合には、その治療を優先して行なう。 * 最終的に、今後どのような治療を希望するかを冷静に決定させる。 これらの診療は性同一性障害かどうかの診断と重なる部分もあるので、平行して行われることも多い。 身体的治療 [編集] 身体的治療にはホルモン療法、乳房切除、性別適合手術がある。 ホルモン療法 [編集] 当事者の身体的性別とは反対の性ホルモンを投与することで、身体的特徴を本来の性に近づける。ジェンダー・アイデンティティに一致する性別での社会生活を容易にするとともに、身体の性の不一致による苦悩を軽減する効果が認められている。 性ホルモンの投与によって、身体的変化のほか、副作用をともない、また身体的変化には不可逆的な変化も起こり得る。ホルモン療法の開始にあたっては、性同一性障害の診断はもちろん、性ホルモンの効果や限界、副作用を充分に理解していることや、新たな生活へ必要充分な検討ができていること、身体の診察や検査、18歳以上であること等のいくつかの条件がある。 MtFに対してはエストロゲン製剤などを、FtMに対してはアンドロゲン製剤を用いる。 投与形態は注射剤、経口剤、添付薬があるが、日本においては注射剤が一般的に使われる。添付薬に次いで注射剤が副作用が少ないが、長期にわたる注射のために、注射部位(多くは三角筋あるいは大臀筋)の筋肉の萎縮を引き起こすことがある。 生物学的男性へのエストロゲン製剤、および生物学的女性へのアンドロゲン製剤の投与をおこなった場合、次のような変化が起こり得る。なかには不可逆的な変化もあり得る。(※ 特に、生物学的男性における精巣萎縮、造精機能喪失) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
先日お伺いしましたが、、お留守のようでした。宜しければ、一度携帯に御連絡をお願いします。
(2015.12.24 00:52:34)
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