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2009.05.01
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フェーズ5と言う宣言が出された新型インフルエンザだが、このフェーズ5と言うのは危険度を表しているわけではなく、世界的に広がり始めたという状態であることを示す指針だ。

致死率という危険度で言えば、現在の状態は普通の季節性のインフルエンザとさほど変わらないだろうというのが学者達の認識のようだ。

毎年冬になると流行るインフルエンザは、日本では例年1000万人ほどが感染発病し、その0.1%~0.2%がそれで死ぬ。

つまり毎年1万人~2万人がインフルエンザが原因で命を落としているわけだ。

今回の新型インフルエンザは、N1H1型という事で、Aソ連型というものだが、大きく変化していて人類は免疫を殆ど持っていないとされ、パンデミックを封じ込められなければ、感染の確率は例年のインフルエンザに比べ3倍~4倍近くになると予想されるそうだ。

単純な算術的手法では日本人の1/3~1/4が感染することになり、致死率は例年のインフルエンザよりやや高く0.1%から1%の間になると現在予想されている。

つまり最悪で4千万人が感染発病し、その1%、40万人が死ぬ可能性があると考えられている。

40万人と言う数字は恐るべき数字では有るが、今回の新型インフルエンザがこのまま弱毒性で推移したとしての話だから、世界中に広がってゆく過程のどこかで、強毒性に変わればその予想さえ軽く超えてしまうことも考えられるし、これから夏に向かって行く北半球の国々では一旦収束するかのような状況が見える可能性もあるが、冬に向かって爆発的な感染が起きないとは言えない。

ウイルスは湿度の低下と気温の低下で感染力を非常に強めることはこれまでのインフルエンザが雄弁に示しているので、これから冬になる南半球のニュージーランドやオーストラリアでは日本や北米以上にに、徹底的な封じ込めが成功しなければ、北半球の国とは比較にならないような被害をもたらす可能性があるから、そこをよく見ていなくてはならない。

さらに問題は、この弱毒性のインフルエンザのために世界の国々で備蓄してきた抗ウイルス薬を使い果たしたすぐ後に、N5H1ウイルスの鳥インフルエンザが、人と人の間で感染できる能力を獲得すると恐ろしい結果が待っていることになる。

今回の新型インフルエンザが世界中に流行するということは何を意味するか?

ほぼ世界中で飼育されている豚と言う動物は人間型のインフルエンザウイルスと鳥型のインフルエンザウイルスの両方に感染する動物だから、今回のインフルエンザも多くの豚に感染するだろう・・・、そして、豚はすでにかなり多くの数がN5H1型の鳥インフルエンザに感染しているという調査結果が出ており、人間への感染力の大きな新型インフルエンザウイルスが多くの豚に感染すると、豚の体内で鳥インフルエンザと人インフルエンザのウイルスが遺伝子の融合を通じて、人間にとって危険なN5H1ウイルスが人と人に感染力を獲得してしまう可能性が非常に大きくなってしまうことになると考えられるわけです。

今回の新型インフルエンザが収束するか、未だ収束しないうちに鳥由来のN5H1ウイルスが世界的な流行を起こすかもしれないという最悪のシナリオが、抗ウイルス薬を使い果たした直後に現実となる可能性があるのです。

致死率もさほどではない今回の新型インフルエンザに蓄えてある抗ウイルス薬や抗ウイルスマスクなどの防護備蓄を使って危険を回避するのは当然行われるべき医療行為ではあるが、備蓄を使い果たして丸腰になった人類を強毒性の鳥インフルエンザが襲うというシナリオを考える時、今回の新型インフルエンザパンデミックが悪魔の仕掛けた罠に見えているのは私だけだろうか?

心してさらに備えるべし、これは序章に過ぎないのだから・・・・。





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最終更新日  2009.05.01 23:50:24
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