|
カテゴリ:宇宙
1960年代にイギリスのヒッグスによって提唱されたことで、ヒッグス粒子と名づけられている素粒子物理学の理論上の粒子は、我々の居る4次元空間に存在する物質に重さを与えている起源であると考えられています。
ヨーロッパ合同原子核研究機関(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器(LHC)に取り付けられたATLAS探知機とCMSという探知機で2010年から7テラ電子ボルトという世界最高エネルギーでのヒッグス粒子の探索や実験が行われてきたのですが、先日の発表では、「どうやらヒッグス粒子は115~130ギガ電子ボルトの範囲の質量があるのではないか?というところまで絞り込むことが出来た」ということです。 下の画像はハドロン加速器に取り付けられたアトラス検知器《大型ハドロン衝突型加速器(LHC)と言う加速器は陽子と陽子を衝突させる加速器で、陽子を加速させる地下100m に掘られたトンネルは円周が27km あり、その大きさはJR の山手線に匹敵するので、画像ではその全貌を見ることは出来ない。》 下の画像はスイスのジュネーブ郊外のヨーロッパ合同原子核研究機関(CERN)と地下100mにある大型ハドロン衝突型加速器(LHC)の大きさを示す。 何のことやら、非常に難解ですが、このヒッグス粒子の存在もまだ確実に存在するのかどうかも証明されてはいなくて、発見できなかった理由として、その質量が大きすぎて、これまでの加速器ではエネルギーが足りなかった。ということらしいのです。 少し受け売りの情報を書きますが、現在の素粒子物理学で広く信じられている標準理論によれば、アップ、ダウン、チャーム、ストレンジ、トップ、ボトムの6種類のクオークと、電子、ミュー粒子、タウ粒子、電子ニュートリノ、ミューニュートリノ、タウニュートリノのやはり6種類のレプトンから物質が出来ていると考えられていて、これらの粒子を結び付けている力は、「強い力」「弱い力」「電磁力」「重力」の4種類あると言われ、其々の力を媒介する粒子がさらに存在し、それらは、「強い力がグルーオン」、「弱い力がウィークボゾン」、「電磁力が光子」、「重力を伝えるのが重力子」と考えられています。 標準理論では我々の宇宙はヒッグス粒子が広く満ちているヒッグス場が宇宙全体に存在し、それにクオークや、レプトン、ウイークボゾンなどが関係して物質に質量を与えていると考えられているのです。 今回、見つけたかもしれないヒッグス粒子ですが、ヒッグスの主張した粒子は、現在の宇宙の標準理論を証明する為に必要になった「何か」という仮説であり、もしもヒッグス粒子の存在が否定されるのであれば、それはそれで別に宇宙の成り立ちを説明できるような新しい理論を考え出さねばならなくなると言うことに他なりません。 それは、我々が見ている物質の世界、物質を観測することで知ることが出来る宇宙と言うのは、全宇宙の質量のうち僅かに4パーセントに過ぎないと計算されていて、残りの23パーセントはダークマターであり、さらに残りの73パーセントはダークエネルギーとして理論物理学者の間では理解されているのです。 つまり現在の人類の到達した標準理論では宇宙にある質量の96パーセントについて説明が出来ないと言うことです。 したがって、今回見つけたかもしれないヒッグス粒子を確認できたなら、その次の研究ステージのたたき台になる重要な階段の一つになると言えるのではないだろうか・・・? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[宇宙] カテゴリの最新記事
|