「おかあさんへの手紙」通常号第43号(1月24日付け発行)の編集後記
◆編集後記「千鳥足」◆ 今月中旬に帰省した際、貴重な資料を見つけました。父“悟風”智の自筆投句を集 めたファイルです。1996年2月から、他界する2カ月前の98年7月までのものです。 毎月、所属していた俳句の会に作品を提出するために、半紙に筆ペン書きしたもので す。これまで、「おかあさんへの手紙」第4週は、父の日記に書いてあった俳句を掲 載してきましたが、今回からは、このファイルを基にして紹介することにします。ま た、日記を読むだけでは、推論するしかなかった部分が、今回のファイル発見で確認 できたり、修正しなければならない部分があるとも分かりました。第12号(2002年6 月21日発行、http://www.honya.co.jp/contents/letter2mom/index.cgi?20020621 ) から毎月第4週発行分に掲載した悟風の俳句と、ファイルに残った作品を現在、照合 しています。分析が間に合えば、来週(第5週)発行予定の次号で、お知らせしよう と考えています。 さて、今回の作品は、97年の「いずくかに娘の幸秘そめ初暦」と、98年の「年越し は娘夫婦と清一色」でお分かりいただけるように、娘の結婚という、悟風にとっての 大イベントをはさんでいます。また、98年の「おい癌め 滋の日記と冬籠る」「点滴 を終えてやおらに賀状書く」にあるように、この間、闘病生活は続いていました。 「おい癌め酌みかはさうぜ秋の酒 江國滋闘病日記」(新潮社)は分厚い本で、読む のに骨が折れます。父が闘病中に読み切ったとは思えません。でも、同年代の作家が 書いた闘病日記を拾い読みして、自分の状況と照らし合わせていたのでしょう。がん だということも、気付いていたのかもしれません。 (発行者・山口一朗) ===================================★【発行者より】本文は、メールマガジン「おかあさんへの手紙」通常号の講読申し込み窓口http://www.honya.co.jp/contents/letter2mom/index.html で、講読をお申し込みになり、お読み下さい。登録、講読とも無料です。バックナンバーは、http://www.honya.co.jp/contents/letter2mom/ で読めます。