ラーメン記

途中で田中麗奈のアロエヨーグルトを食べているシーンを見て、
ＤＶＤを一時停止して明け方、コンビニにアロエヨーグルトを買いに行ったりと、
途中で気が散ったり、いろいろほかのことを考えたりしてしまう映画なので
人によっては退屈きわまりない作品かもしれないがわたしはすきだと思った。
昨日観た、花とアリスに共通するかもしれないが、
日常のささやかな事柄を、ちんまりと大事に描いている。
日常にしてはいろいろありすぎだが（まあ映画だし）
女とケンカしぃの、警察が入りぃの、壁に挟まれの、
レスキュー隊員が同窓生だの、髪をむちゃくちゃに切られの、
ひき逃げに遭いの、クジラは座礁しぃの、
そのすべての事柄が、よくよく見たり聴いたりすると
すべてなんらかのかたちでつながっていたりで、
それらの様子をみているだけでしあわせな気持ちになれる。
口の達者な彼女の自分勝手さにイラついたり、
しつこく口説く女にウザさを感じたり、
なんの関係もない下級生の男の子にやつあたりをする男にムカついたり、
（よく考えたらその３つとも、相手にされている男は同一人物だ）
そのあたりのくだりで、なんだこの不愉快さは、と思うのだが、
そんな不愉快さやイライラ感もよくよく考えれば
日常のいちにちのなかにもたくさんあったりすることに気づいて、
それらのいろんな感情やらが織り交ぜられ（見ている側も）
とてもよくできた作品だなと思った。

監督の行定氏は「世界の中心で、愛をさけぶ」の監督だそうだが、
こまかな芸の仕込み方はやはり似ているなと思った。
「セカチュー」のほうでは、お互いが好きだとカセットの中で自己紹介した
映画のオマージュが、作品のなかでいくつかちりばめられていたりしたが、
今回は田中麗奈のアロエヨーグルト、
自販機のコーヒーは監督がかつてＣＭを手がけたもの（だったよね？）、
そういったものがいろいろ垣間見られて面白い。
そういえば妻夫木と池脇は「ジョゼと虎と魚たち」でも共演してたな。
キャストクレジットを見てようやく、山田役が山本太郎だと気づいた。
最後、クジラは海へ還ったのだろうか、
還ったとしたら自力でやっぱり還ったのだろうか、
クジラ自体がハリボテだったのだろうから還るシーンがなかったのは否めないが、
ちょこっと気になる。あえて考えさせるように向けているんだろうか。

　
吉祥寺のお香屋さんで海の香りのお香を買う。
５つ入りで５００円、
映画を見ているときとか、明け方や、寝る前、読書中、
気持ちのおちついているときに焚いたりする。
ちょっと重たい、春くらいの海のような香りがする。

そういえば先日行っていた白馬での配膳バイト。
食生活が酷かったのは日記でも書いたんですが、
昨日あたりから、顔に吹き出物がすごくたくさんと、
後頭部の皮膚に大きなできものができたりと、
当然っちゃ当然ですが、１週間ぶっ続けでカップ麺の生活を送ると
こんなふうになっちゃうんだな、てな症状が次々に出ました。
一人暮らしの方、食生活には充分お気をつけください。

そうそう、昨日観た「花とアリス」。
観た直後、ほんわかしつつも、ほかに気をとられていたのですが、
なんだか忘れられない。じわじわと思い出す。
ＤＶＤを買うことにしました。
あれは、やっぱり名作だと思います。おすすめです。