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2005.01.12
カテゴリ：恋愛．結婚
横須賀辺りでこんな事言ってたら笑われそうだけど、 本当に寒くなってきましたね。 勤務地の東京はさらに寒い！ 最近は子供と家を出る朝6；40頃はやっと日の出の時間。 子供に「ママ、なんで太陽がまだ寝てるのに出かけるの？」 とダダをこねられ、何も言えない私。 あまりの寒さにヒャーと乳母車を鬼のような早さで押して バス停まで子供共々ダッシュしております。 ところで去年年末から我が家の周りに新しい住人が 次々にやってきました。 今まで上と左隣が空き家、右は広ーい敷地の家、 ってことで結構やり放題だったので心地悪ーい感じ。 上は３月出産予定の妊婦さんなんで、 極力静かにしなくちゃ、と余計な事で胃が痛みます。 隣はこれまた引っ越しの挨拶にもこなかった、 変わった年配のご夫婦とその娘さん。 すっごい夫婦喧嘩を毎晩している。 DVかと思うほどの音がするのでこっちが緊張する始末。 奥さんのヒステリックな怒鳴り声を聞いて、 自分を反省する毎日。 あーはなりたくないなーと、 反面教師になって私自身は穏やかになった気が．．． 主人は感謝してるかも（笑）  今日は私の姑について話したいと思う。 姑と言っても彼女はまだ46歳。 どうしても義理の母という感覚がわかない。 主人との確執の中に、いつもこの強い姑の影響がある。 日本だったらこんなに小さい子供、しかも２人抱えて働く事を みんな「すごーい」って感じで見てくれるけど、 アメリカにはそんな人、 しかもシングルマザーでそういう人がたくさんいるから、 主人にとっては別段特別な事でも、かわいそうな事でもない。 なんでもできて当たり前、 自分の感情を家庭に持ち込まないのが当たり前、 頭が良くて、たくましいのが当たり前。 姑はそんなスーパーマザーの一人。 彼が二言めに言う ママは文句一つ言わずにやっていた。 自分の子供の面倒を見るのが どうしてそんなに苦痛で疲れる事なのか？ そこで私は言う。 じゃかし－！わたしゃMOMじゃない。 今までもこれからも絶対にMOMにはなれないよ！ 彼女は本当にすごい人。 人生丸ごとドラマな人だ。 ５人兄弟の一人として生まれ、 １７歳で最初の結婚、そして主人を出産。 その夫は超DV男で、彼女は毎日のようにボコボコにされる。 主人の弟を妊娠中、６ヶ月のときに暴力を振るわれ流産。 家から一歩も出してもらえず、 お金も持っていなかった。 でも彼女は小さなスポーツバッグに 主人と自分の最低限の着替えをつめて、 それをソファの下に隠して毎日待っていた。 そしてついにある日主人を連れて逃げ出した。 いろいろな事情があって２度と帰りたくなかった実家へ戻り、 仕事を始めて主人と一緒にGettoの中の小さなアパートに移る。 その間にもそのDV男が職場に来て連れて行かれそうになり、 バス停のポールにしがみついて助けを叫んで なんとか免れたり、 その元夫にまだ２歳の主人を誘拐されて 銃片手に取り戻しに行ったりもした。 そんな生活の中でも主人には絶対古着を着せなかったし、 なんとカソリック系の私立の小学校にまで通わせた。 その後今の主人の継父と出会い、結婚。 全く養育費を払わない元夫との裁判に勝って 継父が主人の親権を持つようになり、 やっと彼女は安定した幸せな生活を送れるようになった。 ここまでで彼女はなんとまだ２３歳。 しかし継父はNAVYだったので、 学校などで単身赴任する事が多く、 横須賀にいた時だって１年の半分は船が出ていなかった。 オフベースの家を探して、引っ越して、 日本に来てすぐ彼女はそれらを全部一人でこなした。 主人の妹はそのときまだ２歳。 とにかく彼女にはできない事がない。 家電の配線も、固い段ボール箱をバラバラにする事も、 開かない瓶のフタだって、 頼る人がいない中、彼女はなんだってできる人になっていた。 そして彼女のすごいところは、 今までのドラマを感じさせない優しさと穏やかさ。 自分がバイオレンスいっぱいの環境で育ったので、 絶対に子供の前で夫婦喧嘩をしない。 だから主人は姑が継父に怒鳴っているとこを 一度も見た事がない。 それを言ったら、 「あーいつも寝てから思う存分喧嘩してたのよ」 とあっさり。 彼女はすごーくきれいな英語を話す。 私は彼女がカースしたのをほんの数回しか聞いた事がない。 英語のわからない日本人でも聞き取れる、 ゆっくりとおだやかできれいな話し方。 そして日本が大好きで、日本人とたくさん交流した。 主人の妹を周りの反対をもろともせず、 なんと幼稚園から小学校２年生までに日本の学校に行かせた。 両親がアメリカ人なのにである。 オフベースに住んでいた時は 周りの住人をいつも家に招いていた。 言葉なんて関係ない。 彼女の周りではみんなが笑顔になれる。 彼女を愛したくなる、そんな人なのです。 今まで主人と私がもめてばかりなので、 一時は怒られて口を聞いてもらえない事もあった。 でもいつも必ず見守ってくれている。 私を本当の娘のように愛してくれている。 そして私も彼女を心から愛している。 私は自分の家族と全く疎遠になってしまったけど、 神様はちゃんと公平にみんなに家族を与えてくれるんだ、 と彼女を見るたびに思う。 たとえ主人と夫婦でなくなっても、 私にとって彼女は永遠に私のMOMである。 彼女の老後の面倒は必ず私が見る、と決めている。 彼女にしてあげたい事、与えてあげたいものは山のようにある。 でも現実はまだまだ自分の事でいっぱいで、 逆に助けてもらってばかりだ。 そんな自分を歯がゆく情けなく思う事もある。 それは主人も一緒だ。 でも一昨年ヒューストンに子供と２ヶ月滞在した際に、 みんなで有名な大きい公園に行った。 動物園も併設している公園。 昔は車もないし、お金もなかったから、 息子を連れて毎週ここに来たのよ。 あの子ああやって坂を転がるのが大好きだったの。 長男と次男が遊ぶ姿を見てMOMがそう言った。 目が少し潤んでいた。 私は、少し親孝行ができた気分になった。 彼女が主人と２人で住んでいたGettoの中のアパートも その時に見た。 彼女が大切に大切に守ってきたもの。 荒れ果てたそのアパートを見ながら、感慨深くなった。 私にできる一番の親孝行は、 私たち家族が何より健康で幸せである事。 私自身が幸せである事。 いつか絶対一緒にジャマイカ行こうね、MOM。 私たち頑張るからね。 あなたと出会えて良かった。 あなたがあなたでいてくれる事、本当に感謝している。 もう一度言うけどまだ46歳だからね、 なんだか照れるけど こんな姑のいる私、すごくラッキーだと思う。 皆さんはどうですか？ こんなスーパーMOMに大切に育てられた主人は スーパーマザコンなのである。 でも私も彼女に首ったけなのでそれでもめる事はない。 あー早くまた彼女とコーヒー飲みながらの お下劣パジャマトーク大会がしたい！ お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
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