妊娠初期②
今回は、妊娠初期の最も重要な検査のひとつである、「NT scan」について記載します。Nuchal Translucency scan超音波検査の専門施設で行なう検査です。胎児の後頚部の黒くみえる部位の厚さと、採血検査(free-Beta hCG, PAPP-A)をかけ合わせて、ダウン症をはじめとする染色体異常の確率を割り出す検査です。オーストラリアでも歴史があり、症例の蓄積が豊富なので、比較的正確な確率が出るそうです。これでhigh risk(>1/300)と評価された場合は、より精度の高いnon-invasive prenatal test(NIPT)や羊水検査に進む、という流れになります。最初、かかりつけの先生から「NT scan、やりましょう」と言われたときは、何のことを言っているのかさっぱり分からず(日本では一般的ではないため)、プリントをもらい家で熟読してようやく検査の意味を理解することが出来ました・・(汗)オーストラリアではほぼ全員が受ける一般的な検査とはいえ、もし染色体異常が疑われたらどうしよう、という思いは多少なりともありました。もし結果が「high risk」であれば生命の選択に関わるかもしれないからです。ただ、high riskであれば次の検査に進むので、まだこの時点で最終結論に達しなくてもこの検査を受けることは出来る、と判断し、まずはこのNT scanを受けようと決めました。まずは超音波検査の施設に予約を入れます。もちろん予約は自分で。NT scanは、11~13w(ベストは12w)に受ける必要があるので早めの予約がbetterです。当日は確か絶食、検査前に水500mL飲む、という条件があったと思います。sonographerと呼ばれる訓練を受け資格を持った技師さんが担当します。(訓練を受けていないと検査を施行できないそうです。)その質の高さに驚きました。ターゲットとなる胎児の後頚部のみならず、30分以上かけてありとあらゆる臓器を確認してくれました。頭臀長、児頭径、心臓、胃、腎、椎骨などなど。臍帯の血流も。もちろん、3D描出(リアルタイムだから4D?)のサービスも忘れてない。さらに母体側の胎盤、卵巣もチェックしてくれ、全てが正常範囲内ということが分かり安堵したことは言うまでもありません。日本のように短時間でベットサイドでやるのとは全く違いましたね。良い意味で裏切られました。事前に採血してたのでその結果と併せて、その場で染色体異常の確率が計算されました。実年齢のみだとダウン症の確率が約1/300でしたが、検査結果を全て加味すると、1/5,351まで下がりました。18トリソミーや13トリソミーの確率も十分に下がり、low riskという結果でした。追加検査はいらないね、という結論で落ち着きました。さらに施設からパスワードが発行され、Webでログインし、その日撮影した全ての超音波画像を閲覧・ダウンロードすることが出来ます。すげぇーーー・・。ちなみにNIPTは、A$400-500から出来るようです。この検査はMedicareではcoverされていないため、全額負担になります。ただ、検査の精度は99%以上で、性染色体も分かるので性別も確実に分かります。日本では20万円近くするらしいので、この値段は非常にお手頃ですね。(このためだけに渡豪する人もいるのかも・・!??)会計:A$180(一度窓口で自己負担ののち、後日保険会社からA$70還付)妊娠初期の一番の山場の検査が無事に終わりました。