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ホビットの家

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2010年11月26日
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テーマ:お勧めの本(7270)
カテゴリ:読書
「気が滅入る映画」第1位を購入した次は「怖い絵」についての
本(笑)鬱気分の時にはどうもそういうタイトルに魅かれるようです。

この本は前にテレビで放映された内容をまとめてあります。テレビ
番組でやっていた時には怖いもの見たさもあってかなり熱心に見て
いました。

「ハプスブルグ展」で見た皇妃エリザベートやフェリペ・プロペロス
王子、11歳のマリア・テレジアなどの美しい肖像画は、ぱっと見た
だけではどうしてこれが怖い絵なの?と疑問に思うのですが、それ
ぞれの生涯を詳しく読むと、その美しさや血筋ゆえに自分や周りの
人を不幸にしているということがよくわかって怖いです。

11歳のマリア・テレジアはその年齢とは思えないほど美しく意志も
強そう、彼女は幸せな結婚をしたけど、娘達はほとんど政略結婚の
犠牲になって不幸な生涯でした。エリザベートの美しさは「ハプスブル
ク展」でたくさん並んだ肖像画の中でも際立っていたけど、彼女の
人生も幸せとは言い難いです。愛する人を次々失い、堅苦しい王宮
から逃れるように旅を続け、最後は暗殺される生涯は痛ましいです。
ただエリザベートを苦しめたお姑さんゾフィーも若い時はすごくきれい
だし、甥にあたるナポレオン2世とのはかないロマンスもある、嫁姑の
争いというだけではない王宮での複雑な人間関係やしきたりがあった
ようです。

そしてフェリペ・プロペロス王子の肖像画、女の子のような衣装を身に
つけているのは、この時代男の子の方が死亡率が高いので、女の子
のように見せて長生きして欲しいと願っていたようです。それでもこの
王子はハプスブルク家で血族結婚が続いた影響で短い命で、その後
生まれて王位についたカルロス2世はもっとはっきり障害が出ていた
のに生き伸びて王になり、後継ぎを残せず王家はとだえてしまう、そ
ういうことを知ってこの王子の絵を見ると、確かに怖い絵です。

ゴヤの「我が子を喰らうサトゥルヌス」これはもう誰が見ても怖い絵で
す。「宮廷画家ゴヤは見た」という映画で見たように、ゴヤの生きた時代
のスペインは異端審問があって豚肉がきらいと言ったばかりに美しい
少女が拷問されて何年も牢獄につながれ悲惨な姿で出てくる、そして
ナポレオンの進軍で今まで拷問する立場にあった役人や聖職者が逆に
追われて殺されることもあるというように、何を信じていいかわからず、
残酷な殺され方をした人をあちらこちらで見る時代だったようです。
ゴヤは晩年耳が聞こえなくなり、だからこそ見ることだけに集中して
人間の残酷さを絵に残した、すさまじい執念のようなものを感じました。
ゴヤはこうした暗い絵を自分の家の壁に描いていて、それは誰かに
見せたり売るためのものではなく、ひたすら自分のためにそうした絵を
描き続けたというのがすごいです。宮廷画家なのでゴヤには王様の
肖像画などの作品もたくさんありますが、やっぱり自分のために描いた
という黒い絵の方が迫力があるし、こういう絵を描くことで自分が生きる
力を取り戻したという説明になるほどなあと思いました。

何も知らなくても絵を見て美しいとか怖いとか感じられますが、その背景
を知るとまったく違った見方ができるとあらためて思いました。

 
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Last updated  2010年11月26日 16時00分24秒
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