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カテゴリ:読書
ヘロドトスの歴史を巻6まで読み終わりました。文庫本で中を全部
読み終わったところです。 巻5がアレキサンダーの祖先のマケドニア王子アレクサンドロスが ペルシャの使者を撃退したエピソードとか「300」のスパルタ王レオ ニダスが王になるまで、それに王妃ゴルゴのエピソードなど知って いる人物がたくさん登場して楽しく読めたのですが、巻6はまた知ら ない名前がずらっと出てきて読みにくかったです。 スパルタの王の話で、どうも私としてはスパルタで王になっても面倒 なお祭りの準備をしたり戦いで最前列に立たなければならないとか あんまりいいことなさそうと思ってしまうのですが(笑)当時のスパルタ 人にとってはすごく重要なことだったようです。王家に双子の兄弟が 生まれてどちらが兄か見分けがつかないけど、母親はわかっているだろ うと見張っていて先に乳をあげたり世話する方が兄だろうということで その子を王にしたそうです。王位をめぐったためか2人の仲はものすご く悪く、特に双子だとどちらかわからなくなるだけ昔は忌み嫌われていた のかもしれないと思いました。スパルタ王レオニダスもすぐ下の弟と双子 だったという説があるようです。 その他にスパルタ王が友人の妻が美しいので気に入って(こういう場合 必ず美しいということに決まっている、美人でもない他人の妻をわざわざ 横取りしたりしないから)無理に奪ったが、その妻が王と結婚してから 10ヶ月過ぎる前に子供を産んだので、その子は王の子ではないと噂が たった、なんていう話もありました。そしてそれほど価値のあるスパルタ 王になったのに、気が狂って自分で自分の体を切り刻んで死んでしまう 王様も、神話みたいな話です。 巻6には有名なマラトンの戦いも出てくるのですが、あれ、どこからどこ までが戦いの話だったんだろうと思うくらい戦いの場面がクライマックス になってなくあっさり書かれています。現代の私達の感覚だとどこがクラ イマックスかを考えてそこに向かってエピソードを積み上げて盛り上げる と思うのですが、どうもそうではなくどうでもいいから捨てるだろうと思える エピソードと同じ比重で書いてあるのです。 ギリシャ側の総司令官(?)アテナイのヒッピアスはペルシャ軍をマラトン へと誘い込むのですが、なにしろかなりの高齢だったので歯がガタガタ になっていて、作戦の途中くしゃみをした時に歯の1本が飛び出して砂の 中に落ちて懸命にさがしたけど見つからなかった、というエピソードを読ん で大笑いしてしまいました。この話を映画化する時、監督は間違っても 主人公がくしゃみしたひょうしに歯が抜けてさがしまわるシーンなんか 撮影しないだろうと(笑)戦いの場面なんだからもっと緊張感のある話を 入れればいいのに、歯が抜けたエピソードを入れるからここでいっきに コメディになってしまいます。このマラトンの戦い、ペルシャ側の方がかな り犠牲も多く激しい戦いだったと思うのですが、歯が抜けた話の印象が 強すぎて戦いの様子がちっともイメージできないまま、巻6は読み終わっ てしまいました。
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Last updated
2011年07月15日 12時07分21秒
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