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テーマ:お勧めの本(7394)
カテゴリ:読書
続けてスペイン人作家の小説について思うことです。
「風の影」という小説の中、Fというものすごく残忍な 悪人が出てきます。主人公の少年DはKという謎の 作家が書いた小説に魅せられKについて調べていき ます。 作家Kは少年時代にある金持ちの援助を受けて途中 から金持ちの子ばかりがあつまる学校に転入します。 そこには特別枠で入った守衛の息子Fもいました。F の家は貧乏なだけでなく自分は上流婦人、お姫様だと 信じているズレた母親と情けない父親がいました。F は学校で友達もいなく孤独でしたが、転入生Kはそん なFにもやさしく声をかけ、彼を自分がすぐに仲良くなっ たグループに誘います。グループの中でも特にKと 気があい、フロイトに夢中になっていた少年MはFの ことも冷静に分析して彼は危険だとKに警告しますが 彼は気にしません。やがてFは密かに好きになってい た女の子に振られ、グループの仲間にも侮辱されると いうことがあって、友人達、特に最初に親切にしてくれ たKに激しい憎悪を抱くようになります。 Fはやがて独裁政権の中で頭角をあらわします。屈折 した者が、異常な政権の中では逆に力を持ってしまう、 それは小説の中だけでなく歴史上の人物でもたくさんい ると思います。個人的な屈折した感情を持つ者が権力を 持ってしまい、周りの人間もおなじような社会への不満 を抱いていたために熱狂的に支持してしまう、その結果は 本当に怖ろしいことになっています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015年01月24日 08時01分07秒
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