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2015年05月05日
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テーマ:お勧めの本(7272)
カテゴリ:読書

「エル・スール」という本を読みました。20年以上前に同じ
名前の映画が公開され、私は見てはいないのですが同じ監督の
「みつばちのささやき」と一緒にタイトルが印象に残ってずっと
DVDで見たいと思っていました。その原作本です。

前に読んでいた「海のカテドラル」これは下巻の半分、全体の
四分の三まで読んだところで返却してクライマックスはまだ読
んでいません。これはいずれスペイン語で読んだ時に結末がわか
るよう楽しみにとっておこうと思ってあえてそうしたのですが、
果たしてスペイン語で小説を読めるようになる日が来るのか、わ
かりません(笑)

「エル・スール」の本はとても短く、すぐに読めてしまいました。
15歳の少女アドリアナの回想として書かれています。彼女の父
はフランス語教師をしながら、振り子を使って捜し物や水脈を見
つけるという特技を持っている魔術師でした。父はまたカトリック
教会でのしきたりや行事を嫌って母と対立し、アドリアナは10歳
位まで学校にも行けず人里離れた家で孤独でした。教師だった母は
独裁政権の中仕事を失い、お手伝いさんを雇うほど裕福で暮らしに
不自由はないものの満たされない日々を送っていました。互いに
向きあうことができず無関心を装うしかない息が詰まるような家族
関係が美しく詩的な文章でつづられています。

アドリアナは母よりも父の方に親しみを持っていて、振り子の使い方
を教わったりもします。けれどもやがてその関係もうまくいかなくな
り家族はそれぞれの孤独を抱え、父の自殺という衝撃的な出来事が起
きます。彼女は父の生家がある南の地方へ行って、父が好きだった女
の人とその息子に会います。でもそれで事件が起きるわけではなく、
淡々と出来事が述べられているだけで父がなぜ自殺したのか詳しくは
述べられていません。

スペインの小説や映画を見ると中世の異端審問と近現代の独裁政権の
影は避けては通れない、必ずどちらかが深くかかわって主人公の人生
を大きく変えているようにも思いました。深い影や闇、でもそれが魅力
にもなっているのでしょう。そして運命に翻弄されながらもその中で
生きる強さも感じました。

今の日本は結婚も離婚も自由にできるようになっていますが、それで
もタブーはまだ強く、互いに関心はなくなっている、あるいは傷つけあ
うだけの関係になっていても家族という形にしがみついたり、あるいは
そうした関係から抜け出すために不倫などにのめり込んだりということが
多くあるようにも思います。自分の感情にふたをして、なかったことに
してやり過ごす、そして互いを縛り不幸になっている例がたくさんあり
ます。アドリアナのお父さんは振り子を使って水脈を見つけることがで
きました。神経を研ぎ澄ませて何かを捜すことは、同時に自分の心を見つ
めることに繋がったのでしょう。南での生活を捨てて北の地方で新しい
家族を作り仕事をしてきたが、本当にやりたかったこと、愛する人は南
にいた、そうした感情の水脈を見つけることは、もしかしたら苦しみが
増すばかりで幸せにはなれないかもしれないけど、それでも大切なこと
この本を読んでそんなことを考えました。

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Last updated  2015年05月05日 21時07分48秒
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