4.25
4月25日。JR福知山線脱線事故から5年です。私にとって事故現場は怖くて悲しくて辛い場所です。時間が経ち、記憶が薄れてきても、あの場所に立つと鮮明にあの日が甦ってきて、とても怖くなります。ガラスが散らばり傾く車内、たくさんの負傷者、布をかけられ次々と運ばれてくる動かなくなった人達。辛く悲しい場所。献花に行くたびそう思っていました。今年はたまたま慰霊式に参列された方々と同じ時間に献花することになり、献花をしながら泣き崩れる方々を目の当たりにしました。大切な人をなくした人にとっては、ただ悲しい、ただ辛い場所ではなく、大切な人と繋がる場所、大切な人への思いが溢れる場所の一つなんだと思いました。私にはとても想像できないけれど、あの日から途切れることのない悲しみが、薄れることなく続いているのかと思うと、やりきれない気持ちでいっぱいになりました。JRが主催する式典に、私も一度だけ出席したことがあるのですが、亡くなった人達への思いはもちろん、残された人達の思いに、私自信が耐えられず、いろんな思いが入り混じり、最後まで列席することができませんでした。毎日たくさんの事故や事件が起こりますが、1人であろうと、107人であろうと、命が奪われるということは、とても悲しく辛いことです。でも当事者でなければ、時間の経過と共にやはり忘れ去られていきます。だから、やっぱり当事者である私は、こうして毎年日記を書くべきだと思いました。そして、今年はその場所で子供に事故のことを初めて話しました。たくさんの人がここでケガをしたこと。亡くなったこと。全て大切な命だったこと。後遺症で苦しむ人達の傷が、1日も早くよくなりますように。残された人達の傷が、少しでも癒えますように。どうか、どうか、もうこのような事故が二度とおきませんように。