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渡辺京二さんからの最後の返信もまた味わい深いものだった。
まず、プロについてだが、自分は一文にもならぬ文章を書いていた十代の心を失わぬ永遠のアマチュアと断りつつ、旦那芸やお嬢さん芸ではないプロ意識も持っていると述べた。 また、プロが自分のやっていることに疑いを持たなくなるとくさみが生じるとも言った。 酒井若菜については、女優であることはすでにプロであり、文章を公表すること同様、何と罵られ嘲笑されようと仕方ないとし、女優としての自分を貫けばそれがそのまま美しいとした。 最後が圧巻だった。 冒頭、「天知る地知る」の言葉を置き、「人が何と言おうと、どうでもよろしい。天地を俯仰して恥じる心こそ大切で、世間で恥にまみれるのは何でもありません」と言い切った。 私も美しく生きるには倫理と情熱が不可欠だと考えるので共感する。 結びの言葉、「破れかぶれで傷だらけの一生を送るしかなかった老人の寝言と聞いてください」に自嘲と剛毅さを感じた。 この往復書簡はこれで終わりだが、多分、これを超えるものは当分ないだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017/09/24 12:00:22 AM
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