[人]の記事一覧 | 芒洋の日々

ゲバラ、ふたたび　３

ゲバラの再流行について　－なぜ若者たちにゲバラは受けるか－１．この20年間の朝日新聞記事（朝刊・夕刊・アエラ）における“チェ・ゲバラ”の登場回数。1986:3 　　　 1996:61987:7 　　　1997:361988:2 　　　1998:231989:4 　　　1999:121990:3 　　　2000:131991:0 　　　2001:161992:2 　　　2002:141993:6 　　　2003:81994:4 　　　2004:281995:6 　　　2005:25　計:37 　　　　　:181２．日本におけるゲバラの再流行（他国でも同じような状況があるのではないか？）と言える現象は、おそらく没後３０年の1997年と『モーターサイクル･ダイアリーズ』が上映された2004年（但し、2003年の『アカルイミライ』も大きな要素だったと考えられる）の二度起きている。後の10年の“ゲバラ”のヒット件数は、前の10年のおよそ５倍である。このことから、（仮説２通り）やはり90年代後半からゲバラが再び脚光を浴びていることが伺える。３．勿論全てが、反グローバル化の国際連帯的な運動と関わっているわけではない。『アカルイミライ』のスタイリスト北村道子は、少年グループにゲバラT-シャツを着せさせたことに関して、「私たちの世代に有効だったイデオロギーは全部無効になった。彼らは単なるデザインとして着ているだけ、と言いたかった」と述べている。しかし、彼らが“ゲバラ”を着ていることは、着させた者の意図を越えてある意味を有している。すなわち、ゲバラが“カッコイイ”からファッションになるのである。４．『アカルイミライ』の読解１（星野智幸「ゲバラとは誰か」）：「日本は何となく食べていけてしまう社会ではあるけど、ゲバラだってアルゼンチンのリベラルな上流階級の生まれで、頭脳もあるし、何となく生きていくことはできた。けれど、親とかいろいろな影響があったにせよ、自らその環境の外に出て行ったわけです。今の日本の場合、若い人が自分の置かれている環境に満足しているかと言ったら、とてもそうとは言えない。したいこと、自分に合っていることがわからないという悩みを慢性的に抱えている人はものすごく多い。その、「したいことがない」という一種の疎外感と言っていいと思いますが、自分を無力無能と感じている気分は、自分でも意識できないくらいの破壊力になって、『アカルイミライ』の、ゲバラＴシャツをユニフォームのように着て闊歩するハイティーンたちというイメージにつながっていると思います」。５．『アカルイミライ』の読解２（陣野俊史「彼らはなぜゲバラのＴシャツを着ているのか」）：「「アカルイミライ」。本当にカタカナでなければ表記できない。高校生たちの未来は、手つかずでそこにあり、明るく輝いている･･･本当に？たぶん本当に。そのとき、ゲバラは単純に「連帯」の象徴なのではなく、未来の「開かれ」のシンボルとして描かれている。39歳で死んだ革命の英雄は、未来形で語ることにことのほか長けていた。開かれた未来に気づき、「行け」のサインを見届けよ。高校生たちの着ていたゲバラはそう語っていた。ほかならぬ私たちに向かって」。６．『モーターサイクル･ダイアリーズ』の制作総指揮をとったロバート・レッドフォードの意図。「何かをやろうという熱意を持て。特にアメリカの若者にそう言いたい」。「この国はいま危険とともにある。23歳のゲバラが世界で何が起きているかに突然目を開いたように、アメリカの若者にも直面する危機に目覚めるよう促したいから」（『モーターサイクル･ダイアリーズ』を作った）。７．ひとまずの結論。ゲバラが若者に受けているのは、ゲバラの思想や政治性によるものではない。おそらく若者は、反体制の理想主義者であったゲバラの生き方に憧れるのである。「ありえないほどの一貫性」（ダニエル・シルヴェストリの歌）を持って生き抜き、果てない夢を追い続けたゲバラ。そこにこそ、ゲバラの普遍性がある。“ゲバラ”は、社会を覆っているニヒリズムと芒洋さの彼方にあり、失われてしまった“確かさ”と“正しさ”を唯一証明してくる存在なのである。そういう点に限って言えば、90年代後半以降、小林よしのりが読まれたこととゲバラのＴシャツが着られたことは、同次元の現象として説明できるのかも知れない。ゲバラの再流行は、そういう危うさも感じさせる（もっとも、勿論違いも多いだろうし、よしりんを読むより、ゲバラを着る方がはるかに良いに決まってるが）。８．ゲバラの魅力。「もしわれわれが空想家のようだといわれるならば、救いがたい理想主義者だといわれるならば、できもしないことを考えているといわれるならば、何千回でも答えよう、そのとおりだ、と」「多くの人は私を冒険家と呼ぶだろう。確かにそうだが、私は自分の信念を証明するためには命をかける人間なのだ」「あなたたちがいつかこの手紙を読まねばならないとしたら、それはわたしがこの世にはいないからでしょう。わたしのことはほとんど何もおぼえてないだろうし、幼い子どもたちはなにも知らないでしょう。　お父さんは考え通りに行動した人間であったし、信念に忠実だったと確信しています。･･･とくに、世界のどこかで、だれかに不正がおこなれるとしたら、いつでもそれを最も強く感じとれるようにならないといけません。それこそ、革命家の最大の美点なのです。　　さようなら。できたら、また会いましょうね。大きなキスと抱擁をおくります」（遺書として子どもたちに宛てられたもの）。９．ついで：爆笑した新聞記事から。亀井静香が政治家として尊敬しているのは、チェ･ゲバラと大塩平八郎らしい。9･11の選挙を前に、9月4日の遊説で、「今の自民党にこちらの主義主張は採用されない。ゲバラも人々を抑圧から解放するために飛び出していった」と言ったらしい。自分の自民離党とゲバラがキューバを出て行ったことを重ねるとは･･･。恐れ入った（笑）

ゲバラ、ふたたび　２

－闘争・運動の場における死後のゲバラ－仮説１：ゲバラの像が積極的に掲げられるのは、トランスナショナルな性格を帯びた闘いの場においてである。闘争の国際連帯性が高まるにつれ、ゲバラのプレゼンスも高まる。国際連帯の場におけるゲバラ例１）2004年9月「反戦反グローバリゼーション国際戦略会議」で、ウォールデン・ベロー（フィリピン大学教授）の開会宣言から。「キューバの偉大な革命家チェ・ゲバラにならった私たちの役割は、イラクにおける米国、パレスチナにおける米―イスラエル枢軸、コロンビアにおける米国のしのびよる侵攻に対決する国際連帯運動を創造し、拡大することだけではなく、この伸び切った帝国の危機を悪化させることである。それはまた、私たち自身の国と地域における米国の帝国的プレゼンスに対する闘いを作りだし、回復させることである。たとえば、東北アジアの米軍基地、そしていわゆる対テロ戦争を通じた南西アジアにおける米軍のプレゼンスの再開に反対する闘いは、東アジアの私たちが再び献身しなければならない闘いである」。例２）2005年1月、ブラジルのポルト・アレグレでの第５回世界社会フォーラム（ＷＳＦ５）。「労働通信」2005年３月号の記事（村岡到）から。「今年で５回目となるＷＳＦは、各国政府が集まるスイスのダボスでの世界経済フォーラムに対抗する国際的イベントで、昨年はインドのムンバイで10万人を集め、今年は135ヵ国から15万5000人が参加した」。「一番人気は何と言ってもゲバラである。バッグ、Ｔシャツ、バッジ、それも数種類、みなゲバラがこっちを向いている」。「チャベス大統領（ベネズエラ）は、･･･反帝国主義・社会主義を強調し、アメリカ帝国主義への批判を叫んだ。その度に会場は割れるような拍手と大声援。･･･チャベスは、ゲバラ、シモン・ボリーバル、ホセ・マルティの名前を繰り返し、トロツキーにも毛沢東にも言及した」。例３）２０００年５・３０声明（日本赤軍）。「「連帯は、ローマの市民と剣闘士のような、観戦する者と闘う者という関係であってはならない。運命を共にしよう。」「第二、第三のベトナムを！」というチェ・ゲバラの呼びかけに応えて、私達はアラブの地に来ました。　パレスチナを暴力的に占領し、その地に暮らしていたパレスチナの人々を追放したイスラエルに対して闘い続けている、アラブの殉教者に続く日本人民の連帯の闘いとしてリッダ闘争がありました」。「中東における国際資本のグローバリズム支配の要としてのイスラエルの役割が明確になっています」。例４）メキシコ｢サパティスタ｣。『メキシコを動かした先住民の闘い』（ 2001年4月2日　田中　宇）から。「サパティスタ」は先住民の権利を守ろうとする武装ゲリラで、1994年に最初の蜂起。ＰＲＩの一党独裁打倒につながる。「サパティスタの蜂起を成功に導いたのは、この組織の戦略立案者やスポークスマンをつとめる指導者「マルコス副司令官」の能力によるところが大きい。今やメキシコで彼の名を知らぬ者はおらず、彼は行く先々でスーパースターのような扱いをうけている。彼の覆面姿を刷り込んだＴシャツや、マークのついた覆面スキー帽、トレードマークのパイプなど、ゆかりの品々がよく売れている。「チェ司令官」と呼ばれ親しまれているキューバ革命の英雄「チェ・ゲバラ」が再来したかのような扱いだ」。「マルコスの戦略は、チェ・ゲバラに象徴される「古き良き正義の左翼ゲリラ」のイメージを喚起しつつ、インターネットを通じた広報活動を展開したり、世界的な「反グローバリゼーション運動」の流れの中に自分たちを位置づけたりすることで、国際的な支援も集めることに成功した」。以上は、全てネット上からの引用。仮説２：1960,70年代には世界各地で民衆蜂起や学生運動が頻発したが、90年代のソ連崩壊までには左翼思想は弱体化（革命イデオロギーの衰退）。民族・宗教対立の激化（ナショナリズムの高揚）に伴い（同時に、グローバリゼーションの進行による貧富の差の拡大）、“暴力”から意味（政治性）が喪失していった。ニヒリズム・テロ･･･。ここにおいて、“ゲバラ”もまた喪失された。しかし、反グローバル化（反資本主義）の運動が、グローバルに展開されていく90年代後半以降、“ゲバラ”復古（但し、ラディカルな運動の中でだが。非暴力主義者は、ゲバラ像を掲げるか？）といえる動きがあったのではないか。ゲバラとは全く関係ないが。今日、立川のパレスホテルでの留学生懇親パーティーに行ってきた。大学の留学生、先生、各国大使館関係者、国立のボランティア団体の人まで、参加者は300人以上はいたか。如水会が絡んだ盛大なパーティーでビックリした。留学生の友達の紹介で、バーミンガム大からの学生にも会った。やはり、バーミンガム大の方がハードなようで。３割以上は単位を落とすとか。言語がなければどこに行ってもある程度やっていける自信はあるが、英語がどうにも･･･。いつになっても上達しない。あんまやる気もでないし･･･。困った、困った。

ゲバラ、ふたたび　１

現代思想2004．10月の『総特集　チェ･ゲバラ』を買う。現代思想の特集は、入門書としては丁度良い。音楽批評（？）の東琢磨さんも、「ベトナム帰りのゲバラ」というエッセイを書いている。東さんとは、何だかんだ言い合いながら、夏の沖縄旅行中（9月3日から13日まで）ほとんど一緒に過ごした（同じ日に来て同じ日に帰った。但し、東さんは広島に）。最初は、大阪女子大の酒井（隆史）ゼミを中心とした40人越の大所帯で回っていたのだが、一人また一人と帰り最後に残ったのが二人であったのだ。それで、最後の夜那覇。9･11の選挙結果を憂いながら、こうなったら沖縄独立闘争でもしますかという冗談話になったのだが、その時東さんが「独立を達成して英雄になって、また放浪の旅だよ。結局、沖縄人ではないからね」と言っていた。小林旭の「渡り鳥シリーズ」か？とぐらいに聞いていたのだが、ゲバラの話だったんだなと今になって思う（もっとも、革命家なんて皆そんなものかも知れないが）。アルゼンチン人のゲバラは、キューバ革命達成後、1965年にはキューバ国籍を離脱し、更なる革命運動のためにコンゴに渡った。その時ゲバラが、カストロに宛てたのが「別れの手紙」である。「諸国の人民のいま、私の支援を求めている。君がキューバの指導者としての責任を持つが故にできないことをするのが、私には可能だ。私たちの別れの時がきた。もしも私が人生最後の時を異国の空の下で過ごすことになったとしても、私の最後の思いはキューバ人民、とりわけ君に向けられるだろう」。カストロは、65年10月のキューバ共産党が発足した日の中央委員会で、この手紙を公表している。実は手紙は、「私は〈勝利するまで〉キューバには戻らない。しかし私の心には〈いつも〉、『祖国か死か、勝利するのだ』の言葉（カストロ）がある」と終わるのだが、ここはカストロによって省略して読まれ「いつも勝利まで（アスタ・ラ・ビクトリア・シエンプレ）」というスローガンに変わった。そして、このことによって、ゲバラは事実上キューバに戻ることができなくなってしまった。ソ連路線への変更（強力な経済支援なしには革命体制の存続は不可能だった）を始めようとしていたカストロにとって、ソ連との確執があったゲバラの存在は、既に政治上厄介なものとなっていた。カストロは、ソ連にゲバラとの別離を要求されていたのかも知れない。コンゴでの闘争は失敗に終わった。ゲバラが白人系だったことも、アフリカでは不利に働いた。再び南米に戻ったが、67年、ボリビアでCIAに捕らわれ殺害された。39歳だった。今では、キューバは勿論のこと、世界中でゲバラの像が溢れている。話は変わるが、昨日カバンの中に『総特集　チェ・ゲバラ』を入れていたら、大学の友達に「おまえもゲバラ読んでるのか」と言われた。何の話かと思ったら、彼は浦和レッズのファンで、レッズのスタジアムではゲバラが掲げられているという。「連帯」と「革命」の象徴、ゲバラ。「連帯」のゲバラは何となくわかるが、しかし「革命」のゲバラは？なぜサッカーの応援（日本ではレッズだけだが、海外でもよく見かける）にゲバラが使われるのか？『アカルイミライ』のゲバラといい、謎はますます深まる。ただのファッションだということも言えるが･･･。ゲバラは、現代に何を語りかけているのだろうか？（続）付け足し：思い出したので書いておく。那覇の夜、沖縄独立の話になったのは、川満信一の『沖縄・自立と共生の思想』の話題が出たからだった。その中の「琉球共和社会憲法」全文にはこうある。「･･･九死に一生を得て廃墟に立ったとき、われわれは戦争が国内の民を殺戮するからくりであったことを知らされた。だが、米軍はその廃墟にまたしても巨大な軍事基地をつくった。われわれは非武装の抵抗を続け、そして、ひとしく国民的反省に立って「戦争放棄」「非戦、非軍備」を冒頭に掲げた「日本国憲法」と、それを遵守する日本国民に連帯を求め最期の期待にかけた。結果は無残な裏切りとなって返ってきた。日本国民の反省はあまりにも底浅く、淡雪となって消えた。われわれはもうホトホト愛想がつきた。好戦国日本よ、好戦的日本国民と権力者共よ、好むところの道を行くがよい。もはやわれわれは人類廃滅への無理心中をこれ以上共に歩むことはできない」。初出は、1981年。

『鯨の目』　－成田三樹夫、その生と死－

朝起きたら、迂闊にも11時だった。開き直って、今日は一日家にいることにした。帰って寝るだけの日が続いていたから、何だか妙に新鮮である。雨戸を開けると、今日も秋空。晴れの方がいいに決まっているのだが、澄みたる故の淋しさというものもある。無言の寂寞感が募る。そんな時は、とばかりに、本棚から『鯨の目　成田三樹夫遺稿句集』を取り出ししばし読む。　大空の下で大根を抜く　書を捨てて風のひとふき読みに出かける　はっと立って死んでもよし　犬と蟇にらみ合う間の大宇宙　このせきりょうに遠く大笑する我をみている　六千万年海は清いか鯨ども寂寞に耐えることを成田に学ぶ。成田三樹夫は、『仁義なき闘い』（広島死闘篇・代理戦争）の松永弘役や『探偵物語』の服部刑事役で知られる悪役俳優である。他には（私が観たことがある映画の中では）、『県警対組織暴力』・『日本暴力列島・京阪神殺しの軍団』・『柳生一族の陰謀』（深作映画には欠かせなかった）、優作と共演した『蘇る金狼』・『華の乱』、『必殺！』シリーズや『里見発見伝』などで強烈な印象に残る名演をした。出演作こそ多いが、登場時間は短いので、ファンは成田が出る場面は釘付けになって見る。それも大抵は、最後に殺されるか捕まれるかだ。しかし、川谷拓三や室田日出夫と違い、その死に様も実に決まっているのである。私が初めて成田に接したのは『探偵物語』でのコミカルな演技だったと思うが、『仁義なき戦い』を見てから一気に成田ファンとなった。スクリーンの中では、ニヒルで冷徹な悪役を多く演じたが、私生活ではシャイで寡黙な性格も垣間見せたという。読書家でもあり、俳句を趣味としていた。遺稿句集は、生前書きためたものをまとめたもので、特に病中の時のものが多い。成田は、1990年4月9日、55歳で亡くなっている。松田優作の死の5ヵ月後に、病気による急逝。しかし、むしろより似ていたのは、その死に様よりも生き様だったろう。これは、1969年、結婚後はじめて奥さんに送った手紙であるという。「僕もこの辺でもう一つ腰をおとして勉強の仕直しをするつもりです。とにかくもっと自分をいじめてみます。男が余裕を持って生きているなんてこの上ない醜態だと思う。ぎりぎりの曲芸師の様なそんな具合に生き続けるのが男の務と思っています。色気のない便りになって御免なさい」優作も成田も、あまりにストイックに生き急いだ。何事にも正面から全力でぶつかり、傷つき悲鳴を上げながら、それでも自らに鞭を打つ。早死にはそれなりの理由があるというわけだ。『鯨の目』には、俳句の他に、成田の読書記録や日記、詩のようなものも載っている。その中に、「絶望」というタイトルの詩があった。病中に書かれたものだろう。絶望ガラス棒をのみこんだ様な嘔吐の絶望人間の粗悪な営み、人体の精妙至高に関する絶望病室で一人社会復帰かなわずと確信した時の妙な安堵の絶望カバの目の水平な時間の絶望祈る人達の放射線上のつまりは宇宙的な絶望飛び立つ黄金蟲の絶望射精しおえた雄の悲劇成田や優作は、どのように自らの死と、自らの絶望と向き合ったのだろうか。誰にもわからない。推し量るとすれば、絶望すらをもどこか嗤っていた節があったような気がする。優作に至っては、「たかがガンごときで死ぬ気にはなれなかったんじゃないか」という憶測も飛ぶほどだ。自らの今後の生き様、そして何より死に様を考えると、目眩がする。どこかに逃げたくなる。しかし、生きることからは逃げれらても、決して死から逃れられはしない。寂寞はまた募る。