中島敦全集
ずっと欲しかった中島敦の全集を入手。 中島敦の作品というとやはり初めて知った高校の教科書の『山月記』が一番に思い浮かびます。中国古典を下敷きにした格調高い文章は難解ながらも当時の私に強い印象を残しました。 その後、学生時代に読んだ阿刀田高さんの本で名作『文字禍』を知り、中国古典だけではない中島敦の魅力に触れて、いつか彼のすべての作品を読んでみたいと思うようになったのです。 中島敦の全集は筑摩から多分戦後三回出ていて、その他文治堂書店から出た物があり、古書価格は最新の2001~2002年に出た新編集の決定版は高いけれど、その他のものは比較的安価で手に入ります(最新版は収録数も多く魅力的だけど新字体なのがマイナス)。 昭和二十年代の筑摩の最初の全集は古過ぎて状態も良く無さそうなので、買うなら筑摩の二次全集か文治堂書店版がベストでしょうか。読みやすさなら文治堂版らしいのですが、1960年代発行とやや古いこともあって状態の良いものは少ないかもしれません。また、補巻や付録が付いていないことも多いようです。 ということで、今回私が購入したのは筑摩の二次全集です。ただ、この二次全集も1976年発行の初版と1982年発行の第二版があって、第二版には二巻に130ページ超の補遺が追加されているので注意が必要です。 そのため私は第二版でかつ月報付きの状態の良いものが出てくるまで何年も待ちました。 少々出費はかさみましたが同じ装丁の『中島敦研究』もセットで購入できて久々に大満足の買い物でした。 まぁ今普通に入手しやすいのは筑摩の文庫版の全集でしょうね。特にこだわりがなければこれで十分でしょう。中島敦全集 全3巻セット (ちくま文庫) [ 中島敦 ]↓こちらが最新版全集。楽天ブックスには1巻しかなかったけど、普通にジュンク堂とかでは売ってます。中島敦全集(1) [ 中島敦 ]これで我が家の全集類は 露伴全集44巻鴎外全集38巻三島由紀夫全集36巻鏡花全集29巻荷風全集29巻谷崎潤一郎全集28巻名作歌舞伎全集25巻漱石全集18巻芥川龍之介全集12巻圓生全集9巻中島敦全集3巻(中島敦研究1冊)林家正蔵全集2巻(正蔵一代1冊)桂文楽全集2巻あと欲しいのは熊楠全集ぐらいかな…