里見八犬士☆犬坂毛野の夢

2005/08/21(日)10:07

“少年ファンタジー”こそが少年を育てる~南総里見八犬伝を自由に語る(其の壱)

南総里見八犬伝(11)

 僕がこの日記を創めた理由。それは八犬伝を熱く語り、この面白さを世に広める為!でも、このひと月の間、僕のメインの研究である八犬伝から御無沙汰していたのも事実です。そう、僕をずっと育んで来た“少年ファンタジーもの”から離れたが為の、この“魂の枯渇(笑)”が最近かなり酷いので、今日から(不定期ですが)、八犬伝を“自由に”語って行きます。勿論、八犬伝は“義侠的少年ファンタジー”であるという独断に基づいて熱く語るつもりです。でも正直、未だ僕は、八犬伝を“学術的”に、そうレポート的に語るのは未だ先という事で(未だ修行が!)。まずは、僕はこの物語の面白さを「徹底的に抽出する事」から始めようと思います。あと、八犬伝がお好きな貴方、またもう中毒の貴方、また八犬伝研究の大先輩の貴方、そしてこれから是非読んでみたいという貴方は、是非熱いコメント(貴方の八犬伝への想い)を残して下さいネ(勿論お好きな方だけ)!  注;僕が定義する(または、嵌った)“少年ファンタジーもの”とは?  僕が子供の頃から嵌っている“ドラクエ”や少年が主人公のゲーム、または少年向けのファンタジーの文庫本。勿論歴史小説や歴史的な少年ヒーローも。  <弱い少年が勇者に成るというファンタジーは、男の子にとっての夢!そう、苦悩する幼き己を、苦しみ乍らも孤独に闘う主人公に投影し、そして感情移入を繰り返し、主人公の勝利の喜びを自己の喜びとして共有・共鳴し、その主人公に憧れる!また己の夢をこの“主人公のエネルギー”で叶えようとする!そしていつしか少年は理不尽な大人(笑)という敵(現実)と対峙し、また無数の敗北から多くを学び、更に試行錯誤を繰り返し、遂に勇者(逞しい大人)に成長する!またこれこそが、“少年ファンタジーもの”の役割であり存在意義なのであると僕は幼き頃(笑)からずっと想って来た(かも)!>  そしてこの“少年ファンタジー”こそが、少年に夢を与え、また勇気を沸き立たせ、大人として逞しく育てるのです!そう、だから八犬伝がここ迄愛され現代語訳として何度も蘇り、また日本でファンタジーの文庫本が広く読まれ、そのジャンルそのものが発展を遂げたのだと想っています!  僕は子供の頃から“何人かの若者が一致団結する”物語や史実がとても好きだったのを覚えています!そして特に歴史好きな方ならば御存知の、“真田十勇士”!あの佐助や才蔵の活躍に胸を熱くされた方も多い筈です!また真田幸村という悲劇の天才ヒーローのカリスマ性と求心力(この存在がひとクセある若者を纏めます)!またあの尼子十勇士!山中鹿之助というストイックな、正に戦国の世の超人の求心力に感動し、また彼に大変感化されました!だから、現実にも“求心力あるリーダー”だけがクセ者達を纏め上げ、幾多の戦いに勝利を収めたのでしょう。然し、彼等英雄は君臨して踏ん反り返る様な権力者では無く、飽く迄、少数精鋭の忍び的な遊撃部隊を指揮し自ら敵陣の中に身を置いたのです(少しずつ八犬伝に近づく気配がします....)。  でも、八犬士は仁義礼智信忠孝悌の八つの珠の縁で結ばれるのです!  然し“里見の殿”は彼等の君主ですが“求心力”があるのは・・!  話はそれますが、あの“戦隊もの(僕は見なかったけれど)”は実は、水滸伝は無論、八犬伝や戦国の世の伝説的人物とその一党の影響があったのかと想いましたが、これを語ると話が途方も無い方向に逃走を開始するので、今は到底語る気力はありません(汗)!でもお詳しい方のお話は伺いたいですね!  そして共通する所!八犬士による里見家の災いのための尽力、また鹿之助は殆どゼロからの再起(そしてあの「我に七難八苦を与え給え!」という頼もしい言葉!)、また幸村の関ヶ原の敗北から奇跡の復活です。そう、そこには一貫してファンタジーの熱き血潮が流れているんです!そして少数精鋭、それも、八人乃至十人で御家の為の固い絆で結ばれて邪悪な存在、そして巨大な敵(毛利、また徳川)と闘う!例え傷ついてボロボロにされても“絆と義侠心”、そして、計り知れない影響を及ぼす“求心力”に生かされながら!  勿論、不屈の闘志溢れる鹿之助や幸村の、熱く、そして切ない悲劇的な戦も少年ファンタジーであり、孤独な少年に多くの夢を与え、育てる筈です☆  そして、八犬伝に熱く成れる方は、所謂“判官贔屓”、そう、義経のあの“クセ者の家人”との逃避行にも、無論、鹿之助や幸村にも、きっと共鳴し、そして、彼等の熱き想い、そして無念に共感出来ると僕は想っています。   (嗚呼、鹿之助や幸村に共鳴出来るという事は、彼等と同じ“熱き血潮”が流れているのだろう!読み進めて行く内に同志として想う様に成る程の!)!  そう“少年ファンタジー好き”には、皆“熱き血潮(=想い)”が流れている筈!だから彼等悲劇の武将を愛する方にもっと八犬伝を読んで欲しいです!また、ずっと八犬士と共に、現実そして宿命と闘って欲しいですね☆ ◆次回は、荒筋と“八犬士を結びつける求心力”について語ります(僕の“全訳への挑戦”はもう少し先ですが・汗)!!   <八犬伝を解読するための歴史> 室町時代 将軍・足利義教(六代) “永享の乱(1438年8月)”・・・足利幕府が鎌倉公方足利持氏を討つ(翌年持氏父子自害) “結城合戦(1440年3月)”・・・持氏遺子春王丸・安王丸の足利幕府への挙兵を結城側が援助するが翌4月に鎮圧 “嘉吉の乱(1441年6月)”・・・赤松満祐、将軍足利義教暗殺  

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