|
カテゴリ:本
辻村深月『ぼくのメジャースプーン』を読む。 主人公は小学4年生の男の子。 あるとき学校で飼っていたうさぎが殺されてしまうという事件が起きる。 主人公の大切な幼馴染、 ふみちゃんはショックのあまり心の扉を閉ざし家に閉じこもってしまう。 笑わなくなってしまったふみちゃんのために、「不思議な力」を持つ主人公は立ち上がる。 うさぎ殺しの犯人に、罰を与えるために・・・ 「特別な力」をどう使うのか。 正しい判断ってなんなのだろうか。 100%の答えなんてないテーマだし、書き方によっては鼻につきそうなテーマでもある。 「不思議な力」を使って罰すると言っても、主人公の描き方次第では「お前にそんな権利があるのか」ってことにもなってしまう。 けれどふみちゃんと主人公との交流や、主人公の真摯な心がいやみなく描かれていて、皮肉な気持ち抜きで読める物語に仕上がっていると思った。ついつい一息に読んでしまった。 主人公が犯人に対してどうするか、というのも正解はない問題で、 「この主人公の出した結論」「は」「こう」なのかとすんなり読めた。 すんなり読めてしまうくらいである。 衝撃のラストではないのだけれど、そこに到るまでが物語そのものというか・・・ 衝撃のラスト!ではないところを含めてこの物語なんだなあと。思ったりしたのですが。 上手く説明できませんでしたね、はは。 ともあれ他の辻村本も読んでみたくなる一冊でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.09.13 19:05:33
コメント(0) | コメントを書く
[本] カテゴリの最新記事
|
|