少し古い話題となりますが。
HDDに録画してあった
「英雄たちの選択 新春スペシャル・百人一首特集」を観ました。
何を隠そうこの私
小学校時代のクラブ活動では
「百人一首倶楽部」というものに所属しておりまして
百人一首には人並み以上の思い入れがありまする。
(百人一首の聖地・近江神宮にも参拝に行きましたのよ)
このブログの文章に
七五調が多いのも
間違いなく百人一首の影響だと
思う次第でございます。
で、この「百人一首特集」の内容
特に百人一首を編纂した藤原定家さん主演の再現ドラマが
なかなか斬新&興味深いものでありまして…
後鳥羽上皇×藤原定家でまさかのBL風www
さらに源実朝も交えての三角関係www
NHK…攻めるわ~
まあ結論を言いますと
このBL風定家さん再現ドラマ(←違う)
百人一首が定家の手によって編纂されるまでの流れや
歌を通じての定家と後鳥羽上皇の結び付きの強さ
百人一首に掲載された二人の歌に籠められた真の意味・解釈など
とてもわかりやすく出来ていて
結構面白かったのですわ。
磯田ミッチーが定家さんを
「粘着質の天才肌」と評していたけれど
その評価、そのまま貴方に送りたいです
歴史への執着心が半端ない、磯田ミッチー様!
「天才レベルの人は思いの量が多いから、何かを言われると他の人以上に大きくガーンと響く」
(近頃のAI化、コンピューターのビックデータとの比較で)
「入力無いのに出力できる人間とは何か、『自ら悟るもの』とは何か、日本人の心の根幹は『自分の心の中から出たものを信じられるかどうか』であると定家は言ってくれている」
次々と名言が炸裂!
少年のように眼をキラキラさせながら
読み耽った古文書や歴史的文献
自らの執着心の集積である歴史的ビックデータが
互いに巧みに絡み合い産み出された「磯田史観」
日本人の心の有り様
私の好きな百人一首を語る、私の好きな磯田ミッチーから
とても大切なことを教えて頂いたような気がします。
ちなみに百人一首の中でも
特に私のお気に入りの歌は以下の5歌。
百人一首で遊ぶときには、これらの歌の札はいつも何気に自分の近くに配置していたわw
●「田子の浦にうちいでてみれば白妙の 富士の高嶺に雪は降りつつ」(山部赤人)
←しぞーか県民ならこの歌を嫌いなひとは居ないでしょう。冠雪した富士山の美しさは奈良時代から変わらないのね。
●「天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山にいでし月かも」(阿倍仲麻呂)
←語感が良いし、鮮やかに絵が浮かぶ。故郷の月を懐かしむ作者の心境を思うと美しくも切ない。
●「これやこの 行くも帰るも別れては 知るも知らぬも逢坂の関」(蝉丸)
←リズミカルな語感、内容の無情観が良い。洒落も効いてる。作者の名前も覚えやすい。
●「村雨の露もまだひぬ槙の葉に 霧立のぼる秋の夕暮れ」(寂蓮法師)
←雨・露・霧と畳み掛けるウエッティなイメージ。紫色の幻想的な夕暮れの風景が目に浮かぶ。葉の露と霧…ミクロ→マクロへの視点の展開も良い。
●「ひさかたの光のどけき春の日に しづ心なく花の散るらむ」(紀友則)
←百の歌の中でいちばん明度が高い歌。ただただ美しい。大好き。
あと、もうひとつ希望を言わせてもらえば
定家さんよ…
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天智天皇の御歌は
「万葉集」に掲載されている、私のお気に入りの歌
「海神の豊旗雲に入日さし 今宵の月夜 清けくありこそ 」
にして欲しかったかな。