主に購入を迷われている方向けのネタバレなし感想です。
前作のネタバレに関しては配慮が難しかった為、前作クリア済の方向けの内容です。
ご了承ください。
【世界観】
舞台は引き続き短命の小国アルペシェール。
血みどろダークファンタジー×サイバー要素はそのまま引き継がれ
様々な世界線でのシナリオを楽しめました。
【キャラクター、グラフィック】
製作陣さんはほぼ続投のようですので、美麗なグラフィック全般はそのままのクオリティ。
新規のサブキャラクターもシナリオで重要な役割を担っています。
新しい立ち絵差分や背景も追加されており、メインキャラからサブキャラクターまで各々の語られていなかった部分が存分に掘り下げられていました。
通常版のパッケージイラストでお分かりいただけると思いますが、特にアンクゥ推しの方にはしっかりフルボリュームのルートが搭載されましたのでおすすめ。
前作で乏しかったおまけ要素が充実しましたので後述します。
【シナリオ、糖度】
まず、ボリュームという点で非常に充実しています。
前作プレイから期間が開いている場合は、可能ならサラッとおさらいしておくのがおすすめ。
前作if世界線がメインと思ってプレイし始めたのですが、SS程度と予想していた救済ED後世界線の内容が思いがけず充実していました。
どうしてもキャラクターによって明暗が別れてしまいますし、ご都合的な蛇足と感じるか、FDとして楽しめるかは正直読み手側の感性と、前作の結末によるところが大きいかなと感じました。
SS集はサブキャラに焦点を当てたものも多く、スチルもありますのでサブキャラ推しの方におすすめ。
前作ファンの方は織り込み済と思いますが、救済=ハッピーエンドとは限らない、という部分は良くも悪くもブレていなかったので、すっきりした読後感はあまりありませんでした。
レーディングは変わらずDですが、こちらも流血表現によるところが大きく、糖度はあまり変わらない=期待しないほうが良いかな?と思います。
【攻略】
・攻略制限
アンクゥルートにあたる《-Ankou-》のみ攻略制限があります。
漂流者のシナリオ《-Drifter-》を読了すればルート解放ですので、難しくありません。
・攻略推奨順
公式ブログにて以下の通り記載されています。
※注釈
《-Interlude-》所謂声付きSS集で色々な世界線のものがあります。
《-Encore-》前作のif世界線のシナリオです。
《-Émotion-》前作の絶望ED及び救済ED後のシナリオです。後者に力が入ってました。
《-Drifter-》漂流者のシナリオです。
《-Ankou-》前作のif世界線のアンクゥルートです。
1.優しい気持ちで結末を迎えたい方
《-Encore-》→《-Émotion-》→《-Drifter-》→《-Ankou-》
《-Interlude-》は箸休めに......。《-Émotion-》の救済エンド後日談が最後でも大丈夫です。
2.苦しい気持ちで結末を迎えたい方
《-Interlude-》→《-Émotion-》→《-Drifter-》→《-Ankou-》→《-Encore-》
筆者は1のほうで進めました。これは完全に好みの問題だと思いますが、《-Encore-》はプレイヤーである自分たちは真相を知っている状態で話が進みますので、結構ハラハラさせられます。
《-Émotion-》の救済ED後が十人十色で、公式サイトの通りその先に待ち受ける運命は・・・
必ずしもめでたしめでたし、では終われないのが終ヴィルだな、という印象の読後感。
FDらしさという点ではやはり後日談に軍配が上がるかと思いますので、2の方で進めても良かったかなと感じました。
・攻略法
共通ルートや複雑な分岐がないことと、《-Ankou-》以外の各ルートはそこまで長くないので、フローチャートを見ながらの手探りプレイでも簡便にコンプリートできると思います。
キャラクターのボイス付きプロフィールはEDを読了しただけでは埋まらない(シーンリストを埋めないと解放されない)ものもあるので、フルコンプには未読回収が必須になってきます。
【システム】
引き続きスタンダードなオトメイトシステムですが、テキストウインドウと文字色のコントラストがやや見にくいルートがありました。
前作にはなかったスチルコメント、キャラクタープロフィールなどのおまけ要素が充実したのが一番嬉しかったです。
【BGM、UIなど】
UIはほぼそのまま引き継ぎ。
新規BGMも前作では成し得なかったif展開を盛り上げるのに一役買っており、OP/EDのしっとりした雰囲気の曲調は前作より好みでした。
【総評】
まず、ボリューム満点という点で推せます。
搭載されているシナリオが様々な世界線で展開されるので、前作をフルコンプしていて、尚且つ内容がある程度頭に入っていないと時折(これなんだったっけ?)という場面が出てきてしまいます。
例:スチルなし絶望ED後日談など
元々サブキャラたちの担っているものが各々重いので、ルートによってはややメインを食い気味なところもありました。この辺りをファンサービスと取るか、否か。
前作に引き続きなかなか色ボケしてる場合ではないシナリオなので、メインキャラへの思い入れは誰も彼もが欠かせない存在という印象で決めかねてしまいますが
・・・気が付いたらカプシーヌ推しになっていました。
登場人物がそこまで多くない分、掘り下げられると変な愛着が湧いてしまったなーという感じです。笑