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カテゴリ:美術館・博物館
埼玉県立歴史と民俗の博物館で11月24日(月) まで。
庶民の暮らしの道具のコレクションが展示されている。大事に使われていたものも、時代の変わる早さに、あっという間に消えてしまう。その価値に気付いた先覚者たちの蒐集した衣類や、農具、漁具などなど。ほとんどは修理に修理を重ねて、大事に大事にしていたことが分かる。 村のみんなでお金を出し合ったのか、見事なお祭りの飾り物もあった。芸術品ではないけれど、素晴らしい仕事が見える。機能的でお洒落な背負子もあった。 昭和5年から昭和37年まで、宮本馨太郎先生が撮影した8ミリがデジタル化され、繰り返し見ることができた。当時の農村、漁村、山村を調査研究した渋沢敬三先生に同行して撮影したものらしい。音声がないのは残念だが、手書きのスーパーも入っていて、一緒に見ていた人が「味の有る字だなぁ。」と言ってらした。同感同感! ずっと見ていて、ほとんどは夫婦で独占状態で堪能した。興味も体験も共通しているのは幸せなことだ。カメラを回す先生も当時は若く、もう少しゆっくり移動してくださ~いともう勝手にお願いなどして、もう盛んな漁業、深田の田植え、棚田の作業はこの時記録しておかなければ、もう後世に伝わらなかったんだなぁと思うと、先見の明に頭が下がる。 当時貴重な8ミリカメラ、残りのフィルム量も考えての撮影も、また編集作業も大変なことだったと思う。今でこそ、小さなデジタルカメラ1台で静止画も動画も音声もと簡単に記録できる時代になったけれど、もう映すべき民俗文化が失われてしまった。 地形、植生、人物、物を作る工程をきちんと映している。音声がないので、先生にお聞きしておけばよかったことだらけ。デジタルカメラを手にして、ワタシが記録するとしたら、やっぱり先生が原点になる。身近な記録をとって、保存することもワタシの使命のような気がしてきた。恩師はいつになっても恩師となる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年10月19日 18時14分54秒
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