洪(こう)ちゃの黄色いゼリー
たしか小学生のころに「しろばんば」という小説を読んだ記憶があります。(完読できなかったのですが・・・)「しろばんば」は、『天平の甍(いらか)』や『風林火山』などの著者として知られる井上靖さんが、小学校時代の自分の体験を元に書いた小説だそうです。その井上靖さんの生誕100年を記念して、「しろばんば」にちなんだゼリーが発売されましたそのゼリーは、「洪(こう)ちゃの黄色いゼリー」。5月26日から豊橋市札木町の老舗和菓子店「若松園」で販売されました。ちなみに「洪ちゃ」とは、井上靖の自伝的小説「しろばんば」の主人公・洪作のこと。大正4年、豊橋を訪ねた際に食べたそうで、小説の中では、こう書かれています。************************************そして若松園という大きな菓子屋へ立ち寄って、そこの喫茶部で菓子を食べた。こうしたところで、菓子を食べるということは、洪作には初めてのことであった。黄色いゼリーの菓子で、それにスプーンを入れるのが勿体(もったい)ないように、洪作にはそれは美しく見えた。口に入れると溶けるように美味(うま)かった。洪作は、この美味さを上の家の祖母や、さき子や、幸夫たちに報せることができないのが残念に思われた。言葉で幾ら説明しても、説明できるとは思わなかった。************************************さっそくに、わたしも買って食べてみました!「洪ちゃの黄色いゼリー」は、宮崎県産の「日向夏」の果汁が使われた、さっぱりとした風味のゼリーです。中には、日向夏の実が1房分はいっていました。涼やかなガラスの器などでいただくと、いっそうおいしく感じます。1個368円(税込み)で、3個入りのボックス1,180円(税込み)。本といっしょに、味わってみてはいかがでしょうか?