Beauty Source キレイの魔法

2006/11/25(土)17:21

芸術家の資質・オーラの泉・陣内孝則さん 2.

オーラの泉(582)

不思議な体験は、1984年のホラーミュージカルの舞台・ 真田広之さん主演「リトルショップ・オブ・ホラーズ」に出演されたとき。 陣「僕はまだ無名の俳優だったんですけど、倉本聰先生が見に来ることになって。 その時『きっと倉本先生は、俺のことが気に入って楽屋に訪ねてくるな』と確信を持って 思ったら、案の定。『先生が紹介してって言うから連れて来るわよ』って、お会いしたんです。 それで『ライスカレー(倉本聰脚本 1986年のTVドラマ)』という仕事をやって、 俳優としてご飯が食べられるようになったので。あれは何か、妙な確信でした」 心配なのは、眠りが浅く、しょっちゅう目覚めてしまうこと。 江「私がよく言うオーラの色というのは、その人の人格、精神を表すものなんですが 『幽体のオーラ』といって、その人の健康面や感情を表わす別のオーラもあるんですね。 常に神経がぴりぴりしている、一度に100のことを考えるようなね。 一瞬、何かを見ていてもいくつものことを考えてしまって、常にその連続で。 大事なお仕事とか、大きなものを失うときには眠れないくらい。 終いには寝ることをあきらめようとしてみたり」 陣「まさに、おっしゃるとおりですね」 【眠れる森】 美「眠っていても、常にいろいろなことを考えているの」 江「ちゃんと寝ていない方なんですよ。それが体にすごく影響をしていて 長い年数、ひずみの部分があったんですよね。 ここでひとつのことをしていても、そばで別に動いているのことがわかってしまう。 そんな自分が嫌になったり、イライラしたり、見えない方がいいやと思ったり。 休むはずの夜も、考え込む時間になってしまって、時間が大狂いしてくるわけですよ」 陣「まさにそう、夜、考えるんです。つまんないことを考えるんですよ。 美輪さんとご一緒だからベルベットのジャケットの方がいいんじゃないかとか この間、ご出演になった番組で『あなた、ちゃんとした格好をしないから駄目よ。』と おっしゃっていたからタイをした方が、とか。そういうことで眠れなくなったりします」 美「それは芸術家の典型的な資質なのよ。 神経というのは普通、指先で止まっているものだけれど 陣内さんの場合は爪先や、頭の上から避雷針みたいに飛び出ているのよ」 江「まさにそういうオーラの形なんですよ」 陣「それはいいんですか、悪いんですか?」 美「芸術家にとってはいいのよ。絶対に必要なものなの。 前を見ているのに、後ろが見えていたり。 舞台に立ったときも、主役をやりながら後ろの人たちの様子が見えていたり 照明がいまどうなっているかとか、同時進行でいかなくてはいけないでしょう。 だから芸術家には、それは絶対にないと困る神経なの。 だけど、肉体は悲鳴をあげるわけ。それをおっしゃりたいんでしょう?」 江「そうなんです。だからそういった意味では、犬に救われているから。 犬を見つめているときは、他のことを考えなくてすむんですよ。癒されている」 陣「ああ、そういうことなんですね。犬を飼いだしてから、こんな大変なことはないなと思うし でもこんなに可愛いなと思うこともないなと」 【1リットルの涙】 江「大変なこともあるじゃないですか、例えばお粗相をしてしまったとしても それを拭いて掃除をして。そのときはいろいろなことを考えなくていい」 陣「そういうことなんですね。」 江「『陣内さんが、よくそんなまめなことをできますね。』って・・・。」 陣「よく言われます。女房に『あなた、太郎(お子さん)のときはおしめも替えなかったのに なんで犬のときはこんなにまめに拭いたり替えたりするの?!』って」 国「そのときは、何も考えていなくて無心になれるところ・・・」 江「だから、ちょっと見えてくるのが、突然、台所に立ってみたり。 いろんなものを作り始めるのは、無心になりたいときなんですよ。 それを自覚してやっていない」 陣「意識していなかったんですが、大晦日に必ず、ずん胴鍋にいっぱい、カレーを作ります。 一年の総決算で、何か無心になれるというか、一年を振り返るというか。 意識はしていなくて、何か作りたくてやっていたんですが」 美「バランスをとるため、防衛本能なの」 江「犬を飼って、いまは本当に幸せだと思うんですけれど、そうでないと健康が本当に心配。 今も心配。お若いときは、それでも乗り越える体力がある。 でもこれからはもう少しメンテナンスを加えないと」 陣内さんを救ってくれている愛犬は、前世では愛馬としてそばにいたのだそう。 江「助けるためにやってきたんですよ。過去の恩を返すために。 そのときは愛馬で、いまは犬として再び魂の絆の元にやってきたというのが本当なんです。 陣内さんの前世って、いっぱいあるんですよ。 再生といってもそのまま生まれてくるわけではないんですけどね。 コップに水が戻るように、一度、魂のコップに戻って その中の一滴がまたこの世に来て、と言う感じで。 だから皆さんはちゃんと前世の記憶が残ってるんです、むこうのコップにも。 一言でいって、ご神霊にものすごく可愛がられてる人なんです」 美「はやく言えば、神さまね。」 江「なぜかと言うと、それだけの犠牲をいままで払ってきたからなんです」 陣「実は僕、神さまというのはすごく信じるんですよ。根拠はないけれども信じる。 子供の頃、町で一番大きな神社に行ったら、すごく大きな狛犬があって うちのひいお祖父ちゃんの名前が彫ってあるんですよ。代々、うちの親父の名前まで彫ってある。 狛犬を奉納するといったら、その当時は家が何軒か建つ、御影石とか。 いつもお祖父ちゃんに、盆や正月は、神棚の掃除を絶対にさせられていたんです。 埃を拭いたり、子供の頃は嫌でしたけれどね」 美「それを神さまは愛おしく見ていらっしゃるんですよ」 ひいお祖父さまは大きな水害が起こったときに炊き出しをしたり 無償で家を直したりしているそうで、非常に多くの方々を助けている。 江「家系自体も、徳を積んでいますよ。」 美「そういういいことをすると、上七代、下七代(かみしちだい しもしちだい)といって 先祖も助かるし、子孫もお守りがあるのよね。だから徳の貯金をするんですよ。 銀行に徳の貯金がしてあって、子孫は何もなさらなくても 貯金を引き出して生活していらっしゃるわけ」 【陰陽師 安倍晴明 王都妖奇譚】 大怪我になるはずのところを助かっているのもその徳のおかげ。 実際に陣内さんは、子供の頃にダンプカーにひかれそうになったのを助かったり フィリピンでクーデターに巻き込まれるところを間一髪で帰国していたりなど 「九死に一生」を得たことが何度もあるそう。 狛犬を奉納されたお祖父さまから、お父さまの健康について「心配するな」というメッセージも。 陣「鳥肌が立ちました。とにかく親父は糖尿病だったし、このあいだは脳梗塞で倒れてしまって たまたま近所に名医の先生がいて助けられて。もう長くないかなと思っていたんですが」 お父さまのことは反面教師にしながらも、「男の理想像」として追いかけている。 江「やっぱり好きなんですよ」 陣「そうですかねえ。親父の短気なところには手を焼きましたから」 江「でも、その短気は理にかなっていたじゃないですか。意味や理由があったじゃないですか。 お祖父さんの言葉を借りると、この家族は絶妙な配役で、一人がパッとものを言うと 一人がフォローして、女性陣はきちんと受け皿になって 阿吽(あうん)の呼吸が出来上がっていて全然心配がいらない」 陣「もう、おっしゃるとおりです。うちの両親は子供の頃は夫婦喧嘩がひどくて 髪を引っ張り合って『ゴジラ対キングキドラ』みたいで。 お袋が実家に帰るというから泣きながら教科書を詰めたことも何度もあるわけ。 ところが人が来ると、ガラッと言うことが変わるんだよね☆ バンドを始めたときも、家業を継がせたいから、ギターを大きなかまどで しょっちゅう焼かれてたの。 ところが俳優になってなんとか食えるようになって女房を連れて帰ったときに 親父が『私はこの子が生まれたときに映画俳優になる夢を見まして』。 お袋は『そうやった、あんたそげん言いよった。』もう、信じられないんだよね☆」 江「みんな阿吽の呼吸で、そういう形態が家族の中で成り立っているんです。 『親父はどう思ってたんだろう』とか、いろんなことはあまり心配するなと。 ただ、やはり時間を考えて、『生きるときは行かなきゃいけない。 大丈夫、けれども限られているよ』後の後悔にならないように ちゃんとこれからは子供さんとかも引き連れて、悔やむことのないように」 ☆ 陣内さん主演の舞台・「おばかさんの夕食会」を拝見したことがあります。 縦横無尽に動き回る喜劇で、隣の部屋で起こっていることまでも見通して、まさに 「主役をやりながら後ろの人たちの様子が見えていたり 照明がいまどうなっているかとか、同時進行でいかなくてはいけない」 全身からアンテナが何十本も飛び出している方(地球外生物☆) 周囲を「阿吽の呼吸」で巻き込める方でないと、務まらない舞台。 俳優としてご飯が食べられるようになった頃のインタビュー記事を 読んだことがあります。収入が増え、革ジャンなどお気に入りの服を手に入れても、 すぐに奥さんに取り上げられてしまう、魚肉ソーセージの食生活から抜け出たのはつい最近、など 端正な容貌とのギャップが印象的で、20年たっても覚えているお話。 「僕がここ20何年やってこれたというのは、上も尊敬してるし、下も尊敬しているし」 謙虚さと己を笑いにできる術は、いい男が策謀術数の世界で生き抜くための極意。 今回のお話でも、初心をお忘れにならない姿勢がうかがえて、好感がもてました。 明日に続きます。 *** これまでのオーラの泉を読んで下さる方は 「精神美(オーラの泉など)」へ

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