テーマ:癌(3537)
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6日の夜8時に戻ると、看護士が手当をしていた。薬の作用か舌が落ち込みタンが絡んでいるので吸引をしている。
うまく取れない、出血している。 看護士が自分でナースコールを押して飛んで来た二人で始める。 鼻からも出血して「気管を伝って肺に行くと嫌だな」とつぶやいている。 みるみる頭の下のバスタオルが赤く染まって行く。吸引はやめて頭を横にして鼻血が泊まるのを待つ。 へたくそ!と心の中で毒づく。酸素マスクをつける。酸素の数値が安定しない。 思わず、長女に電話をする。「エー!うそー」と電話の向こうで絶句している。 すぐに夫婦で病院へ引き返してくる。 10時、ベッドサイドモニターの数値が下がり始める。 二人で声をかけ続ける。 11時、危篤と告げられる。夜中で悪いが親戚に電話をする。 私が今、死んじゃだめ、これから息子の嫁さんが来る、明日には長男が帰ってくる、それまで頑張れと怒ると数値が上がる。 娘が「よほど、お母さんが恐いのかなあ」と泣き笑いする。 私が怒鳴ってもほんとに静かに逝ってしまった。11時58分だった。信じられなかった。 医者が来て、誰か待っている人は居ますかと聞くので、息子の嫁さんが向かっていると言うと、少し待ちましょうと言ってくれた。 エレベーターホールで待っていると、5階まで階段を駆け上がって来た。 医者の告げた死亡時間は0時12分だった。 夜中の3時すぎに主人は自宅に戻った。リビングルームの仏壇の前に安置した。 葬祭屋さんが、友引があるので早く押さえた方が言い、火葬場を10日におさえた。 興奮していたのだろう、隣に寝て4時半頃起きた。 備えるご飯を炊き、たかく盛って箸をたてる。 7時、お寺に電話して了解を得る。葬儀社にも連絡して息子が到着する午後に来て欲しいと頼む。 それから、あちこちへ電話連絡するが全く役に立たない。 次女に枕花を買いに行くように手配し、とりあえずのお金は長女に託した。 ここらへんで横になりたくなった。 横になったら、なぜだか頭に力が入って肩が重い。たまらず起き上がったらフラフラで力が入らない。考えようとすると、とたんに眠くなるが眠れない。 もうダメだ、ここから先は子供達に託そう。任せたら何も言うまい。でも言ったかもしれない。ここからは記憶があいまいだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.05.14 09:14:41
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