|
カテゴリ:家族
排便は2つ。
葬儀は11時から。 ホテルからそこまでは1時間ほど。 今日また戻ってきて宿泊するから、チェックアウトの準備はしなくていい。 楽だなぁ。 朝食を食べて身支度をしたら出発だ。 到着して身の回りを整え中へ入る。 葬儀が始まるのがまだなので、棺桶を台から降ろしておいてくれた。 久しぶりに顔を合わせたが、こっちを向いてくれはしない。 微笑んでいるが、その表情は変わることがない。 やっと、 死んじゃったんだなぁ、 って思えた。 あまり時間もないので、仕方がなく待つ部屋へ移動。 親族が多いのでそう丁寧でもない挨拶をして回る。 もう時間が無い。 もうすぐ始まるからと、みんなせかされてそそくさと出て行った。 自分たちは用意されていたお昼のお弁当を頂く。 「食べてあげるのも供養だから」 なんて言われてしまい、お腹が空いていないのにちびちび食べる。 俺が本人だったら、無理に食べなくていいよ、って言うけどなぁ。 まぁ風習には逆らえないとはいえ、ほんのちょっと食べたらもうすぐ葬儀の時間。 急いで部屋を出る。 始まった。 相変わらず冷や汗が酷い。 しょっちゅう汗を拭かなくてならない。 知らない人が見たら、どれほど暑がりなんだと思うだろう。 でも多くが親族なので気にすることもない。 みんな知ってるから。 しばらくお経を聞いているうちに、勝手に涙が流れた。 泣きたくて、流れたわけじゃない。 何故かわからないが、心が動かされたのだろう。 数年に1度ぐらいしか会わなかった叔父さん。 会えばいつも満面の笑みで、美味しそうにビールを飲みまくっていた。 もう会えないんだなぁ。 もう一緒に飲むことはないんだな。 改めてそう思った。 まだ涙が出てくる。 ふと思った。 自分で思っているより好きだったんだろうな、叔父さんのこと。 ここで汗拭きタオルが役に立つなんてね。 久しぶりにお焼香をした。 これまではどうにも腕が思うように動かせず、何とも言えない感じだった。 しかし今回は車椅子をやや斜めに寄せる。 本当は摘むことができなくても、ちゃんと摘まんで引き寄せ、それをパラパラする動きを1人でできた。 この日の為に、腕が動くように頑張ってきた訳ではない。 しかし訓練の成果によって、努力してきた成果によって、全てとは言えないが、一連の動きを自分で行えた。 それがとても嬉しかった。 ちゃんとお別れをすることができたように思えた。 そしていよいよ出棺。 もちろん火葬場ついて行くわけだから、ここでお別れの気分にはならない。 それよりも知らない道を行くわけだから、遅れないようについて行かなくてはならない。 健常者じゃないから、すぐに乗って出発できない。 この慌ただしさが、目の前の出来事と少し違う世界のように思えた。 火葬場でいよいよ最後のお別れをし、また葬儀場へ戻ってきた。 2時間ほど時間がある。 尻休めだ。 ここで中へ入って親戚の人に顔を合わせるのが良いのだろうが、体も体調もそんな余裕は無い。 車のエアコンでガンガン体を冷やし、シートを倒して休憩。 窓から見える景色・・・ 空を流れる雲・・・ こうやって見てると、どこかの田舎へのんびり旅行に来たみたい。 不思議だなぁ。 人間の感じることって。 しばらくすると、喪主である従兄弟の子が来た。 自分は初孫なので、従兄弟の中では1番の兄貴。 いつも、 兄ちゃん、兄ちゃん と頼ってくる可愛い奴だ。 お互い住んでいる場所は遠く離れているけど、これからもしっかり支えてやらんと。 時間が来て再び火葬場へ。 再び出会った叔父さんは真っ白だった。 さすがに肝臓はあまり良くなかったらしいが、他はどこも悪くなく綺麗な色の骨をしている。 それが何だか嬉しかった。 自分も骨だけになった時には、真っ白でありますように・・・。 ここでまた訓練の成果が試されることになった。 骨あげ。 もちろん竹箸を1人で持つことなんてできない。 だから骨を拾いあげることも、自分では出来ない。 けどママちゃんが上手に手伝ってくれて、無事拾い上げた骨を骨壷へ入れることができた。 嬉しかった。 最後の最後まで、ちゃんと見送ることができたような気がした。 今日は色々なことを、これまでとは違った方向から客観的に見れたような気がする。 いろんなことを考えた。 もっと自分に厳しくしなくてはならないことや、挑戦的でなくてはならないこともいっぱい気付いた。 叔父さんのおかげで、とは思いたくないが。 ありがとう。 次はそっちで一緒に飲もうな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|