2024/09/03(火)23:46
「鯖の幽庵焼き」
「幽庵焼き」というのは、ゆずの風味を付けた魚の漬け焼きです。しょうゆ、
酒、みりんを等倍に合わせた漬け地にゆずの輪切りを加え、そこに魚の切り身
を漬けて焼いたものです。北村ゆうあん(漢字表記には諸説あり)という人が
考案したという説もありますが、さて。わたしはこれまで、あじの幽庵焼き、
鰯の幽庵焼き、さわらの幽庵焼き、さわらのあらの幽庵焼き、鱈の幽庵焼き、
ぶりの幽庵焼きなど、さまざま作ってきました。今回は、鯖の幽庵焼きです。
鯖を選んだ理由は、切り身が半額で安売りされていたからです。幽庵焼きにし
ようと思った理由は、たまたま近所のイタリア料理店のマスターから「たくさ
んもらって余ってるんですけど、使います?」と訊かれて、青いすだちを計11
個もらったからです。酒を飲むときに汁を搾るだけではなく、何か形に残そう
と思ったときに、塩焼きにするか煮付けるかと迷っていた(半額の)鯖と結び
付きました。そうと決まれば、買い物から帰った午前中に漬けるに限ります。
調味料を合わせ、すだちを輪切りにします。ポリ袋に液を少し入れ、流水で血
などを洗った鯖の切り身を1枚入れたら、輪切りのすだちを並べ、もう1枚の
鯖で挟みます。残りの液を加え、袋の口をしっかり縛って、夕方まで漬けまし
た。途中で何回か天地を返しました。夕方に弱火で焼きましたが、その際、漬
け汁もすだちもボツにします。焼けた鯖にはほんのりと柑橘の風味が残ってい
れば良しとします。初めて鯖で幽庵焼きを作りましたが、美味しかったです。