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テーマ:映画館で観た映画(8540)
カテゴリ:CINEMA
どこにでも居そうだけど、どこにも居ないのではないかと
思われる家族のすれ違いストーリー。 コメディをうすーーーく纏ったちょっと悲しいお話。 TANITAの総務課長(企業名出していたよ。協賛だっていっても イメージ悪くならないか?(^_^;))だった佐々木はある日突然に 「あなたは我が社にどんな貢献が出来ますか?出来ないなら辞めてください」 と一方的に言われ、その日のうちに退社。 うちに帰っても妻(小泉今日子)に何も言えず、 次の日から『仮面サラリーマン』生活を始める。 ホームレスへの配給ボランティアの場で出会った 高校時代の同級生・黒須も3ヶ月前から失業中だ。 黒須は家族に対してのプライドからやはり失業したことを 言えずに佐々木に芝居まで頼むほど追い詰められていた。 そんな黒須を見ながらも佐々木は前職に拘り再就職は全く上手くいかない。 一方、妻は二人の息子と権威に拘る夫の間で 何とか「母親」をこなしていた。 でも、ふとした時につぶやく。 「誰か…私を引っ張り上げて」 長男タケシは張り合いも目的も見いだせない今の生活に 見切りをつけ、アメリカ軍に志願して家を出てしまうし、 次男・ケンジも父親に反対されてこっそりとピアノを習っていた。 誰もが家族を想っているのに家族に隠し事をしている。 そして、少しずつ軋みが大きくなり、亀裂になり、 それぞれに転機の事件が訪れる。 なんだか…疲れちゃってる家族の話?と思っていたんですが、 そう言うわけでもなく、大人のプライドとかに子供が振り回されて 大人が壊れていくにしたがって子供達がなにかを諦めていく。 前半は家族のバラバラ感に切なくなります。 でもね、みんなちゃんと家族のことは好きみたいなんでそこは とても安心しましたよ。 印象的だったのは父親が夕食前、すべての配膳が揃ってから ビールを飲みたいと言い出して自分で用意して飲んだのね。 でも、その間子度達二人も母親も゛はんに手をつけずに、 父親が「いただきます」って言ってからみんなが食べ始めたところ。 父親の権威って家族が守ってあげて、初めて成り立つものなんだよね。 そんで、タカシが軍に入るって言ったのを止めようとするところで、 俺がおまえ達を守るんだよと言っていたのも なんだか象徴的に感じてしまいましたよ。 そうそう、ここの場面でちょっと好きだったのは 「おまえの幸せのために言ってるんだ! 世界の幸せなんかよりおまえの幸せの方が大事なんだよ!」と 言うところ。 なかなかこういう風に『世界なんかより家族』だなんて 言ってくれる父親は居ないんだろうな~なんてのも思いました。 でも、リストラされたことは言わないとね(^_^;)。 キョンキョンは「疲れが溜まっている母親」役、 なかなか良いと思いましたよ。 しゃべり方がさらりとしているから細かい感情がわかりやすいし、 変に感情に流された動きが少ないから大きく動く時にその分、 伝わりやすい気がします。うん、好き。 過去に囚われて「やり直し」を望む大人達 今を変えたい子供達。 すれ違いながらも互いに嫌ったり憎んだりはしていない。 ただ…まあ、この家族、良くも悪くも『小市民』(笑) ラストはきっとこうかなって予想からあまり外れないしね。 予想外は次男・ケンジの意外な展開でしょうか(笑) 最後にはちゃんと出来すぎな位の「希望」も 準備されていますので、見終わったあとはちょっといい気分です。 大丈夫、何があってもスタートを切るのは自分の心次第だよ。 …ってことかな? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Oct 1, 2008 10:58:03 PM
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