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テーマ:映画館で観た映画(8572)
カテゴリ:CINEMA
2本目はSFなのか、人の本質に迫る問題作なのか。
…『第9地区』…かなり映像もお話もえぐいですね(^_^;)。 エイリアンの宇宙船が突然現れた南アフリカ・ヨハネスブルグ。 20年前からこの宇宙船は壊れて動かず、ずっとこの年の上空で留まっている。 …「上空に留まってる」ってすごくね?(笑) エイリアンは二足歩行の甲殻類のようで 気持ちの悪い形状のその容貌から『エビ』と 侮蔑と嫌悪を持って呼ばれている。 …エビ… 私は元々海老が、海老のビジュアルが気持ち悪くて大嫌いです。 あんな物は人間の食べるものではないとさえ思うくらい嫌いです。 食べても美味しいと思った事がありません。 その海老という意味で呼ばれるエイリアン… 観ている私がどれほど嫌な気分だったか。 でも、物語の中の人間達も激烈に嫌っている、エビ。 暴力的で、ゴムを食べ、猫缶が好物で 途轍もない科学力がありながらも多くのエビ達は それを使いこなす頭脳を持っていなかったため、 20年も故障したと思われる宇宙船をうごかせず、 暫定居住区の『第9地区』で180匹(敢えてこの単位)に。 その移住計画の責任者に選ばれたヴィカス。 初めはこの人が『お人好しで何も知らず、人道的に同情してエビ側につく』 のではないかと思っていたんですが、全然違った。 どちらかと言えばエビ嫌いのエゴイズム丸出しの人間で エビの卵を平気で焼き『中絶だ』などと言ってせせら笑う。 超ヤナヤツ。 だから、ある液体をうっかり浴びてしまい、 DNAが変化してエビに変わっていってしまう訳だが、 真っ先に『因果応報』と言う言葉が頭に浮かぶほど 気の毒とも頑張れとも人間に戻れたらいいのにとも思わなかった。 むしろ彼が足掻いて自分だけを守るために 平気でエビにも人間にも銃口を向けるようになると 更に引いてしまって、この愚か者を誰が処分するんだろう的な 暗い楽しみ方をしてしまうくらい嫌な男でした。 まあ…出てくる『人間』が全て嫌な奴で(^_^;)。 得体の知れない物への不安や恐怖からか、 誰も彼も残酷でどんな命も簡単に吹き飛ばされる映像に かなり食傷気味になります。 でも、人間の持つエゴイズムってきっとこんな感じなんだろうなと かなり納得もしてしまう面もあり、応援は出来なくても 否定できるほど聖人君子でもない。 そしてこの映画を観ながらものが食べられる人は 相当図々しい神経の持ち主な気がする。 マジ、キモイ。 爆死するシーンがかなりあり、やたらと肉片が飛び散るのですが それがカメラにべちゃっと付く…と言う演出が多用されています。 ドキュメンタリー風に、ニュース映像風に作っている部分も多く、 『第三者の語り』と合わさって進むので、現実っぽく感じたりします。 ちょっと行きすぎたリアリティのような気もしますが、 この演出で安っぽさが消えているのかもしれない。 B級感は少ないです。 ドキュメンタリーのように「その後の彼を誰も知らない」的 終わり方だしね。 そして、最後は宇宙船がなんと動きだし、 たった2匹のエビだけが母星に帰るために旅立つのですが 最後にエビ化していくヴィカスにエビのクリストファーが 「3年後に迎えに来る」と言うのですが… その時に人間に戻してやると約束するのですが… まだ3年たっていないのか、約束の日が来ても宇宙船は来ないのか、 残されたエビ達は250万まで膨れあがり、ヴィカスも…… そして、私は絶対に今後海老を口にする事はないだろうなと 心の片隅で誓ったりした。 …もう桜エビを砕いたりするのも嫌だから、 もんじゃ焼きは食えないなぁ…。 海老抜きって出来るのかしら?(^_^;) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Apr 24, 2010 12:51:34 AM
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