ハンパ者のぽつり。

今回こそは大丈夫かと思った海堂さん原作本の映像化。
残念ながら今回もダメでした。
なんであんな安っぽい脚本にしちゃうかな!!(-"-#)

産科医療の困窮する現実も、曾根崎が起こそうと画策した
革命にも似た一連の事件も、上っ面をつららららーって
なぞっただけ。
全然、タイトルの意味すら伝わらない。

ただの代理母出産じゃないんだよ？
そこん所と曾根崎が大学の講義を通じて語ったところが
リンクしてなくちゃ何も伝わらないでしょ!
講義の場面での彼女の言い分も、学生達とのやりとりもないし、
メディア露出のタイミングもあそこではただの夢物語。
根回しも冷酷なまでの計画性もおざなりになってるせいで
曾根崎はただの理想論者で大言壮語の青二才としか移らない。

あれでは彼女は『魔女』にはなれない。
曾根崎は『魔女』で『マリア』でなくてはならないのに。

事件や事象を原作の時系列と変えてしまっているせいで、
物語の説明力が失われているのにやたら感情論で話を進める。
医療には理性と計画性が必要なんだ。
感情だけでは医療の明日は動かない。

だからこそのクールさや計略的な曾根崎の行動なのに
母親のネタばらしが余りに早すぎ、ただの『出産賛歌』に
なってしまって本当に残念。

清川があんな風に彼女のトリックが解ってしまっては
曾根崎の一大決心と大芝居がただの学芸会になってしまうじゃないか!!!

オマケに感情の動きを見せようとしてか、
緊迫した緊急の場面なのに動きが遅すぎる。
余分なカットが多くて、焦りや不安を押さえて
冷静さを保とうとしているのではなく、
ただ単に薄ぼんやりで次の行動への着手がトロいだけに見える。

だいたい、この物語で屋敷教授の言い分がもっともだと思えてはいけないのに、
もの凄くまともな人みたいに見えたよ。
改革をしたいと行動を起こす人間の言動が
『荒唐無稽』に見えては絶対にいけない。

ラストなんて『絶対にセント・マリアクリニック、成功しないだろうな』って
思っちゃったよ。原作では全く思わなかったのに。
セント・マリアクリニックに体制に対しての具体的な事は何一つ語られず、
『赤ちゃんって素晴らしい』『生命って奇跡ね』だけで
ぽやんと終わっちゃって。



もーホントにガッカリにもほどがある。
菅野さんも好きだし、海堂さんの原作も好きだから。
と言う訳で、今後、海堂さん原作の映像化は
観ない方がいいんじゃないかと思いました。


ま、ジェネラル・ルージュの伝説(特にTVシリーズ)よりは
まだましだけどな。