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あんよは上手 ♪

あんよは上手 ♪

05北丹沢12時間山岳耐久レース

2005年7月3日
第7回 北丹沢12時間山岳耐久レース 43.86キロ
kitatannpannhu

今回はレース直前の金曜日から土曜日の朝方まで残業になった。しかも飯も無しだよ。
この時点でレース棄権を覚悟した。朝方帰宅し、午後からまた出社。
その晩、新橋で飲み、帰宅する電車の中で、なぜか無性にレースに出たくなり、急きょ出場を決めた。

レースの支度をし、3時間半の睡眠をとり、北丹沢へ向かう。
5時半頃、到着。青根キャンプ場へ車を誘導される。
天気は曇り。時々小雨が降っている。
車を降り受付へ向かう。受付を済まして帰ってくるランナー達とすれ違い、次第に興奮してきます。受付は全然混んでいません。

車に戻り、着替え。上は襟付き半袖シャツ。首にバンダナ。下は短パン。サロモンシューズはレースデビュー。
キャメルバックのリュックに2リットルの水で溶かしたポカリスエットのハイドレ-ションシステムと、予備用ポカリ粉末2個、パワーバーのパワージェル2個、カーボショッツ1個、塩、軍手、携帯電話。

寝不足はあまり感じないが、したたかに「やるぞ!」と気分は冷静です。
目標は昨年が10時間2分だったので、9時間半です。
が、本当の目標は8時間!o( ̄へ ̄o)ガンバ
しかし、昨年より2時間も短縮ってありえるのかな?と思うと無謀か。

ほぼ真ん中くらいの位置から、7時スタート。
トップ集団は勢い良く遥か向こうへ進むのが見える。
スタートゲート越えるまで約2分かかったが、焦らずマイペースで進む。
いきなりゆるやかな登りです。

1キロほど行くといきなり山中に入り、一列にならないと通過出来ないため混雑します。
次第に完全に止まります。
昨年もそうだったが、皆、止まって並んでいるのに脇から追い抜いて行くランナーが数人いるのです。
二人くらいのランナーが「皆並んでいるから追い抜かないで」と言ってくれました。
ここに交通整理するスタッフがいてくれればありがたいと思います。
「ここで追い抜いて行っても後で追い越してやるΣ(-_-+)ピキッ」とやはり寝不足のせいか冷静です。

650メートルの山頂を過ぎ、下りに差しかかってもほぼ一列渋滞です。
スタートから4キロ時点の青根中学校から神ノ川キャンプ場までの約5キロはゆるやかなアップダウンの舗装道路を走ります。
たまに車が通過します。後ろから車にひかれないよう注意し進路を最短に保ちます。
まだ、レースは始まったばかりというのに、右膝まわりが痛い。「考えないようにしよう」

神ノ川キャンプ場からはいよいよ一つ目の大き山1400メートルの山頂を目指します。
高低差は1000メートルほどあります。
登っても登っても頂上は見えない。ランではなくよじ登りです。
地面はやや濡れており、ぬかるんでいる所も多々あり。
足の力だけで一歩一歩前進したり、地面を手でつかんでよじ登ったり、木をつかんで這い上がったり、私も他のランナーも「はあ、はあ」喘いでます。

ずっと上の方まで所々見えるランナーの列を見てしまうと気持ちが萎えてしまうっ(ノ_-;)ハア・・・。
頭から流れ落ちる汗を止めるため、首に巻いたバンダナをおでこに切り替える。
軽い吐き気を感じる。
今度の富士登山競走、完走できるんかな?と早速弱気。

900メートル地点の鐘撞山(かなつきやま)の鐘を叩く音が聞こえてきます。
昨年は鐘を叩いたが、今回はパスして先きを急ぎます。

やっとのことで、頂上へ辿り着き、すぐ下り。
その途端急に睡魔に襲われた~。
ぬかるんで、下りダッシュできないばかりか、眠くてフッと寝てしまいそうだ<(_ _;)>
何故かダッシュする気力がみなぎらない。眠らないように気をつけて辿々しく降りる。

第一関門の神ノ川ヒュッテは目の前だ。その手前で水分補給、タンクも補給完了。
ここで若い女性数人ににバナナと「おつかれさま。がんばってください」をもらう。
第一関門(18.44キロ)制限時間は4時間半。
昨年はぎりぎりの1分前に通過できた。
今回は3時間40分。昨年より50分も短縮できたぞ!“o(* ̄o ̄)o”
いいぞ、この調子!

kitatannhyoukou
第一関門から次の第ニ関門まで距離は10.6キロ。
昨年はぎりぎり第一関門を通過したのでこの間を1時間30分で通過しなければアウトだったので、がむしゃらに走り、1時間28分ほどで走りきった。
今回は何分かかるか挑戦だ。

この関門の後は、またすぐ登りだ。
ここから高低差420メートル、標高1000メートルの山頂まで登る。しかも、かなり急斜面。
地図で見ても斜度は80度はあるんじゃないか。
ほぼ垂直な斜面を大股で「よ、い~しょっ」という感じで一歩一歩登る。
なるべく止まらず、スローでも一定のペース持続を心掛ける。

シューズの裏の泥が固まっているようで歩きにくい。
急斜面が多いため、シューズのベロが足首に接触し、両足首から血が出ているようだ。
長めのソックスだったらよかったかも。
シューズのデザインや造りによるが、急斜面の多い山岳レースを物語る。
普通のレースではこんなこと考えられないだろう。

時々、上を行くランナーが落として行く落石が転がってくる。
(; ̄Д ̄)なんですと?「落石でーす!」とか「石~!!」とかその度に注意を促します。

おもらししている訳でもないのに短パンから水が大量に滴り落ちている。
ハイドレーションシステムから水が漏れているのか?
どうやら汗らしい。
湿気と次から次と大量に出る汗が乾ききらないのだ。
急斜面を登るのに、びしょびしょに濡れた短パンの裾が両膝近くにピシッっと張り付いて、足を前に出しにくい。
両裾を折って短くするが無駄です。もっと短いランパンかタイツが良かったかな~。

ここまで足場の悪いのは当たり前だったが、さすがに渡れそうもないところに、スタッフがいてロープを架けてくれました。
皆、慎重にロープをつかんで渡ります。さすが山岳レース!!

やっと山頂に到着。
ここからはゆっくりとした下り。右手は山、左は谷。砂利道や鋪装された道を走る。落石もあちこちにある。
どんよりと曇っている。何となくひんやりしているが身体は熱い。
滝を見つけては、顔や手足をジャバジャバリフレッシュδ(⌒~⌒ι)ふ~
ついでにシューズを脱ぎ、泥を落とす。シューズの中の小石や泥も取り除く。

結構痛いと思ったら、やはり両足首から血が出ていた。
シューズの紐を緩めべろを持ち上げて履き、スタート。

さあ、昨年より短縮できるか。遮二無二走る。
しかし、お腹が痛くなってきた。我慢できない状態になってきたので、手ごろな抜け道を探すが無い。
汗でお腹が冷えたようだ。あった!意外な所に抜け道らしい所が。
近寄ってみたら、何とテントが…どうすんのよ俺!(((p(≧□≦)q)))
仕方無しに走り続行。走りながらお腹に手の平を押し付け暖める。これで何とか持ちこたえた。

kitatannsyatu
第ニ関門所要時間は1時間26分。ここまで5時間05分。
昨年より55分早い通過です。途中関門はこれで終わり。後はゴールを目指すだけ。

ここのエイドで最後の水を補充。
あまり長居しないように軽めのストレッチをして出発。

ここからちょっと下って、すぐ山中に入るのだ。
ついに最後の山です。
標高1433メートルの姫次を目指して。
ここから高低差は823メートル。距離にして約15キロ。

ここも登っても登っても先きが見えない。
ここまでくるとランナーの数も少ないです。
皆、無言でよじ登る。
喘いでいる声も聞こえる。
地面もぬかるんでかなり滑る。
背筋が辛くてつい下ばかりを見て這い上がる。
不意に「石でーっす」と上から声。
?(`□´;)なぬっ!
石ころはそのまま側を転がっていった。
自分も落とさないよう気をつけよう。

急斜面の途中、ランナー達が僅かなスペースに腰を下ろし小休止している。
俺も何度か小休止する、が、腰は下ろさない。
木に両手をついてもたれかかる。深呼吸する。
下げた頭から大量の汗がしずくとなって滴り落ちる。
短パンの裾からも汗が止まらない。
足は泥だらけ。
すぐまた登って行く。
他のランナー達と抜きつ抜かれつって感じです。
足首の傷だけでなく膝まわりやふくらはぎにも痛みを感じるが、そんなことをもう気にしない。(●`ε´●)ぷぅ~

この頃になると平坦な場所に来ても皆、走ろうとしない。私もゆっくり歩く。
しばらく行くと、やっと、昨年も見事だった、でかい地滑りの場所に辿り着く。
木も生えてない黄土色の土だけの場所だ。
瞬間、ふらりと足を踏み外したら下まで一気に落ちて行くだろう。"<( ̄0 ̄||)>″

この辺り不意に景色が開ける。
後ろを振り向くと、思わず絶景。( ̄□ ̄;)はうっ
雲の合間に山が連なっているのが見える。
ずいぶん高い所まで来たんだなあと思う瞬間です。
し~んとしていて何も聞こえない。
時折、鳥のさえずりが聞こえる程度。涙が込み上げそうです。感涙か。

「あと、頂上まで5分ほどです」とスタッフ。
こんな山中のあちこちにいるスタッフの方、さぞかしお疲れでしょう。ご苦労様です。
「よし、姫次までもうすぐだ!」しかし、実際には15分近くかかったかな。

やっとだよ!姫次到着(ノ ̄∇ ̄)ノ わぁ~い
タイムはここまで7時間7分。第ニ関門から2時間2分。

むむ!7時間7分だと?残り9キロの下り、うまくいけば、8時間をきれる!?
昨年はこの最終頂上で10分ほど休んでいたが、今回は休み無し。

足場の悪いぬかるんだ下りを走る。が、滑るため危なくて飛ばせない。
後ろから20代のランナー二人が迫ってきたので、仕方ない、道を譲る。
「よく滑らんなあ…」いいや、マイペース、マイペース。

一定の速度を保つ。
次第に慣れてきたので少しずつスピードアップ。

まだ14時頃だというのに周りは霧がかかってきて視界が悪くなってきた。
うまくいけば8時間をきれるという思いにさらにスピードアップ。
この頃になるとランナーの数は極端に少ない。前後にはランナーは居なくなった。

熊は出ないだろうか。事前情報によるとこの辺は熊がよく出るらしい。
高尾山で買った熊除けのための鈴をリュックに装着しているので心強い。

しばらく行くとさっき俺を追い抜いて行ったランナーを発見。
猛烈にダッシュし近付き、逆に道を譲ってもらった。「すいませ~ん」やった!

さあ、一気に振り切ろう。ヾ(=`ε´=)o彡☆ムッキー!!
得意の山猿飛び&天狗走り!!
下りの地面や側面も斜になりながらかっ飛ばします。
これをマスターしたものは下りは滅法強いです。
風を斬るというか落ちるというかL(゜皿゜メ)」ムッキィ

この残り9キロの前半の遅れを取り戻すのだ!
何人も抜いた。
残り3キロの表示を見た時、俄然ファイトがでました。

しかし、そこからが結構長くて、ほんとにあと3キロなのか?それにしても長い。
距離表示間違ってんじゃないのか?

狭くて急な下り坂をやっと終え、鋪装道にでた。
次第に応援する人々が目につきます。

ここからゴールまで猛烈ダッシュ。
ゴールタイムは8時間4分。姫次からの9キロを56分52秒かかりました。
よくもまあ、あんな険しい下りを…。(o ̄∇ ̄)ノ

昨年より約2時間も短縮できました。
寝不足や疲れはあったが、ここまでがんばれた俺。
ど~よ俺!( ̄∀ ̄)d グッ!って感じです。

通常のフルマラソンは約42.2キロ。
それよりちょっとだけ距離の長いこの山岳レースはそりゃあきついっす。
しかし、その分の感動は大きいです。
何より山はいい…。
山はやめられない。
北丹沢。いいとこです。
kitatannkannsousyou


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